Photoshop「コンポジション参照」の使い方|画像をもとにAIで画像生成(img to img/ControlNet風)
Adobe Photoshopに、AI機能のひとつとして「コンポジション参照」が新たに追加されました。
この「コンポジション参照」機能は、「画像を生成」機能を利用する際に、
構図のラフスケッチやポーズ図、線画などをもとに、AIが画像を生成してくれるものです。
「コンポジション参照」でできること
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構図やポーズを指定して、簡易的な図+プロンプト(指示文)により、イメージ通りの画像を生成できるようになります。
テキスト指示だけでは伝えにくい細かなニュアンスも、図を活用することで、より正確にAIに意図を伝えることが可能です。
Photoshop 2025(Ver.26.6以降)では、新たにこの「コンポジション参照」が搭載され、
より直感的な画像生成ができるようになったため、
ぜひこの機能を活用してみてください。
本記事では、この「コンポジション参照」の基本的な使い方を紹介しています。
興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
コンポジション参照の使い方
ここでは、Photoshop 2025(Ver.26.6以降)で使える
「コンポジション参照」機能の使い方を説明していきます。
STEP 1:「画像を生成」を選択
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メニューバーの「編集」から「画像を生成」を選択します。
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または、ツールバーに表示されている「画像を生成」アイコンをクリックしてもOKです。
STEP 2:参照画像の「コンポジション」で画像を指定
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「画像を生成」ウィンドウが開いたら、画面左下にある「コンポジション」をクリックします。
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コンポジションとして使用したい画像ファイルをPCから選択してください。
※注意※
Photoshopで編集中の画像をそのまま参照画像に使いたい場合は、
一度jpgやpng形式で書き出し保存してから選択してください。
STEP 3:プロンプトやスタイルを指定して「生成」
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コンポジションに参照画像を設定したら、画面左上の入力欄に生成したいイメージをプロンプトで入力します。
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必要に応じて、コンテンツタイプやスタイル参照も設定可能です。(必須ではありません)
設定をすることで、よりイメージに近い画像を生成できるようになります。
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最後に、青い「生成」ボタンをクリック!
これで、指定したコンポジションに沿ったAI生成画像が作成されます。
コンポジション参照の強度設定(忠実度の調整)
コンポジション参照では、「強さ(忠実度)」をスライダーで調整することができます。
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スライダーを右に動かす → 参照画像への忠実度が高くなる
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スライダーを左に動かす → 自由度が高くなる
基本的にはスライダーを右(最大)にして使用するのが推奨ですが、
ラフすぎるスケッチなどの場合は、少し自由度を上げてAIに任せた方が、
より自然で高品質な仕上がりになることもあります。
コンポジション参照の使用例・便利な使い方
コンポジション参照は、Stable Diffusionの拡張機能「ControlNet」と似た役割を持ち、
構図やポーズを参考にしながら画像を生成することができます。
また、単純な構図指定だけでなく、「img to img(画像から画像へ)」としても活用可能です。
コンポジション参照でできる、具体的な例を紹介していきます。
■ ラフスケッチから構図やポーズを指定
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手書きイラストや簡単な図でポーズや構図を指示できます。
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例:手書きのソファーイラストから、リアルな商品イメージ写真を生成 → プロトタイプのイメージ共有に活用。
■ イラストをぬいぐるみ化、製品イメージ化
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CAD線画やシンプルな3Dモデル図から、リアルなビジュアルを作成することも可能。
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商品開発やデザイン初期段階でも役立ちます。
■ 構図を維持しながらスタイル・テイストを変更(i2i利用)
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元画像の構図を残しつつ、スタイルやテイストを変えることができます。
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写真を絵画風に変換
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イラストを写真風に変換
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ラフスケッチからリアルな写真作品を生成
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これにより、写真の構図を活かしながらまったく新しいアート作品を作成することが可能です。
■ ロゴや図形を加工・発展させる
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ロゴマークやシンプルな図形をコンポジションとして使用し、
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スタイルやプロンプトを組み合わせることで、無限にバリエーションを生成できます。
シンプルなロゴから複雑なデザインパターンまで、自在にクリエイティブを広げられるのが特徴です。
コンポジション参照がうまくできない場合の対処法
ここでは、Photoshopの「コンポジション参照」がうまく使えないときの原因と対処法をまとめました。
■ コンポジション参照が画面に表示されない場合
「コンポジション参照」は、Photoshop 2025(バージョン26.6以降)で利用できる機能です。
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現在使用しているバージョンは、メニューの「Photoshopについて」から確認できます。
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バージョンが古い場合は、Creative CloudアプリからPhotoshopをアップデートしてください。
もし最新バージョンにも関わらず表示されない場合は、
Photoshopを一度再起動してみましょう。
それでも解決しない場合は、設定や環境による影響も考えられるため、サポートへの問い合わせも検討してください。
■ コンポジション通りに画像が生成されない場合
コンポジション参照を使用しても、必ずしも元の構図どおりに生成されるとは限りません。
イメージ通りの結果が得られない場合は、
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プロンプト(指示文)をより具体的に工夫する
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スタイル設定を見直す
といった対策を試してみましょう。
また、
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コンポジション画像が雑すぎる
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プロンプトが曖昧すぎる
場合、AIが意図を正しく認識できず、うまく生成できないことがあるため、
図もプロンプトもある程度丁寧に用意することがポイントです。
■ ガイドライン違反で生成できない場合
Adobeの生成AIは、著作権や公序良俗に配慮しており、
問題のない画像であっても、ガイドライン違反と誤認してエラーが表示されることがあります。
その場合は、
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別の参照画像を使用する
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プロンプトを調整する
などの対応を行いましょう。
違反認定されにくい内容にすることで、問題を回避できることがあります。
■ 生成塗りつぶしでコンポジション参照を使いたい場合
Photoshopの「生成塗りつぶし」機能(選択範囲内に画像を生成する機能)では、
現時点ではコンポジション参照は使用できません。
今後のアップデートで対応される可能性もありますので、
機能の追加情報には引き続き注意しておきましょう。
ここまで、コンポジション参照参照の使い方について説明してきました。コンポジション参照は、「AI生成はイメージ通りにならない」と感じていた方にこそ強くおすすめしたい、非常に便利な機能です。
簡単な図やラフでも、思い通りの画像生成がぐっと身近になります。
ぜひ、色々なデザインを試してみてください!