GoogleビジネスプロフィールのクチコミをWordPressサイトに表示するのは、無料のプラグインを使えば30分ほどでできます。ただし、よくある誤解として「載せれば検索結果に星が出る」というものがありますが、これはできません。Googleの公式ドキュメントが、自社サイトに自社のレビューを載せた場合はレビュースニペットの対象外になると明記しているためです。この記事では、実際の設定手順と、規約上どこまでが許されるのかを、公式情報を根拠に整理します。
結論|無料で10件まで表示できます

もっとも手軽なのは、Trustindexが提供する「Widgets for Google Reviews」というプラグインです。WordPress公式ディレクトリで公開されており、有効インストール数は90万件を超えています(2026年9月9日時点)。
費用ゼロ、APIキーも不要です
無料版でクチコミを最大10件表示できます。Google Cloudでのプロジェクト作成やAPIキーの取得も必要ありません。Googleビジネスプロフィールを持っていれば、その場で連携できます。
ただし検索結果に星は出ません
先に結論をお伝えしておきます。自社サイトに自社のクチコミを表示しても、Google検索の結果に星(レビュースニペット)は表示されません。この点は後ほど公式ドキュメントを引きながら詳しく説明します。
それでも掲載する価値はあります。理由は、検索結果ではなくサイトを訪れた人の判断に効くからです。こちらも後半で調査データをもとに解説します。
プラグインの導入手順

実際の設定は5ステップです。
ステップ1|プラグインをインストールする
WordPressの管理画面で「プラグイン」から「新規追加」を開き、「Widgets for Google Reviews」を検索してインストール、有効化します。動作要件はWordPress 6.2以上、PHP 7.4以上です。
ステップ2|Googleビジネスプロフィールと連携する
有効化すると左メニューに「Trustindex.io」が追加されます。プラットフォームでGoogleを選び、自社のGoogleビジネスプロフィールを指定します。店舗名で検索するか、Place ID(Googleが場所ごとに割り当てている識別子)を入力して特定します。
同名の店舗が複数ある場合は、Place IDで指定するほうが確実です。Place IDはGoogle Maps Platformの「Place ID Finder」で調べられます。
ステップ3|レイアウトを選ぶ
スライダー、グリッド、リスト、バッジなど、複数のレイアウトから選べます。公式の説明では40種類以上のレイアウトと25種類以上のスタイルが用意されています(2026年9月時点の表記)。
横幅を取らずに済ませたいならバッジ型、しっかり読ませたいならリスト型やスライダー型が向いています。
ステップ4|表示設定を調整する
表示件数、評価によるフィルタ、言語、返信の表示、投稿者名の匿名化などを設定します。無料版でも店舗側の返信を一緒に表示できます。これは後述しますが、低評価への対応を見せられる点で価値があります。
ステップ5|ショートコードを貼る
設定を保存するとショートコードが発行されます。これを固定ページ、投稿、ウィジェットエリアなどに貼れば表示されます。ブロックエディタのほか、ElementorやBeaver Builderといったページビルダーにも対応しています。
無料版でできること・できないこと
| 項目 | 無料版 | 有料版 |
|---|---|---|
| 表示できるクチコミ | 最大10件 | 無制限 |
| ウィジェットの数 | 1つ | 無制限 |
| 対応プラットフォーム | Googleのみ | Facebook・Yelpなど130以上 |
| 自動更新 | なし(手動) | あり |
| 評価によるフィルタ | あり | あり |
| 返信の表示 | あり | あり |
| クチコミ内の画像 | なし | あり |
自動更新は有料版のみです
ここが無料版の最大の制約です。提供元のヘルプには、自動同期は有料契約でのみ利用できると明記されています。無料版は最初に最新の10件を取り込んだあと、放っておいても新しいクチコミは反映されません。
管理画面から手動で更新できますが、その頻度にも制限があります。公式ヘルプの表記は「およそ1〜2週間に1回」です。新しいクチコミをすぐ載せたい運用には向きません。
有料版の料金
提供元の公式サイトによると、1ドメインで年65ドル、5ドメインで年125ドル、無制限で年349ドルです(2026年9月9日時点、米ドル建て。日本円での表記はありません)。7日間の試用と、購入後30日間の返金保証があります。
クチコミが頻繁に増える店舗であれば有料版を検討する価値があります。年に数件しか増えないのであれば、無料版で手動更新するほうが現実的です。
検索結果に星が出ない理由

「クチコミを載せれば検索結果に星が出て、クリック率が上がる」という期待でこの作業に取りかかる方が多いのですが、それは実現しません。理由は明確で、Googleがガイドラインで禁止しているためです。
Googleがウィジェットを名指しで対象外にしています
Google検索セントラルの「レビュースニペット」のページには、レビューされる側が自身のレビューを管理している場合、LocalBusinessやOrganizationの構造化データを使っているページはスターレビュー機能の対象外になる、と書かれています(Google検索セントラル)。
そして対象外になる例として、「エンティティAに関するレビューがエンティティA自身のウェブサイトに、構造化データで直接、または埋め込まれた第三者のウィジェット(たとえばGoogleビジネスのレビューやFacebookのレビューのウィジェット)を通じて掲載されている場合」が挙げられています。まさに今回の構成が名指しされています。
他サイトの評価を集計してはいけない
同じページには「他のウェブサイトからのクチコミや評価は集計に含めないでください」「評価は、ユーザーから直接入手する必要があります」とも明記されています。Googleマップに投稿されたクチコミを自社サイトに持ってきて集計値としてマークアップする行為は、この記述に反します。
「リッチリザルト対応」という訴求には注意
クチコミ表示ツールの宣伝文句に「SEO効果」「リッチスニペット対応」と書かれていることがあります。しかし自社サイトに自社のクチコミを載せる文脈では、上記のとおり星は表示されません。導入の判断材料として、この点は正確に理解しておいてください。
それでも掲載する価値はあります
星が出ないからといって無意味ではありません。効くのは検索結果ではなく、サイトを訪れた人の判断です。加えて、クチコミの内容はHTMLとして出力されるため、AI検索が引用する材料にもなります。制作の現場では、申し込みフォームの直前に置いて離脱を減らす目的で使うことが多いです。
AI検索に引用されるための条件については AI検索に引用される条件|F.A.C.T.S.とE-E-A-Tを一次データで検証 で詳しく解説しています。レビューの外部評価がAIの推奨に影響するという調査結果も紹介しています。
プラグインを使わない方法
自分で実装する選択肢もあります。ただし技術的な制約と規約上の制限があるため、先に把握しておいてください。
Places APIで取得できるのは最大5件です
GoogleのPlaces APIでクチコミを取得する場合、返ってくるのは最大5件です。公式リファレンスに「A maximum of 5 reviews can be returned」と明記されており、並び順も関連度順で固定です。星の高い順に並べ替えたり、全件取得したりはできません。
プラグインによって表示件数が違うのは、こうしたAPIの制限を経由しているかどうかの差です。
取得したクチコミの保存は原則禁止されています
Places APIのポリシーでは、取得したコンテンツを事前取得・キャッシュ・保存することが原則として禁止されています。例外はPlace IDだけで、こちらは無期限に保存できます。
つまり、APIで取得したクチコミ本文を自社のデータベースに貯めておく実装は、規約上問題があります。自前実装を検討する場合は、この点を必ず設計に織り込んでください。
表示するときは著者名とGoogleへの導線が必須です
同じポリシーには、クチコミを表示する際は投稿者のクレジット(アバター・名前・プロフィールリンク)を必ず表示すること、そして利用者がGoogleマップ上で元のクチコミを見られる導線を常に用意することが求められています。
Places UI Kitという公式の部品もあります
あまり知られていませんが、Googleは公式のUIコンポーネントを提供しています。HTMLに専用のタグを置くだけでクチコミを描画でき、帰属表示もコンポーネント側で処理されます。規約への適合という観点ではもっとも安全な方法です。
無料枠は月10,000コールです。デザインの自由度はプラグインに劣りますが、規約リスクを避けたい場合の選択肢になります。
Googleマップの埋め込みではクチコミ本文は出ません
「Googleマップを埋め込めばいいのでは」と思われるかもしれませんが、地図とピンが表示されるだけで、クチコミの本文や星は出ません。訪問者がクリックしてGoogleマップへ移動して初めて読める形になります。
手動でコピーして貼るのは避けてください
もっとも簡単に見えて、もっともリスクが高いのがこれです。クチコミの文章は投稿者の著作物です。Googleのポリシーは、投稿されたコンテンツがGoogleの埋め込みウィジェットやGoogle Maps Platformを使う第三者サイトに表示されうることを説明していますが、これは正規の仕組みを経由した表示を想定したものです。
本文をコピーして貼る、スクリーンショットを画像として載せる、といった方法はこの枠外です。投稿者名やアイコンが写り込む点でも配慮が必要になります。手間を惜しまず、プラグインか公式の部品を使ってください。
方法の比較
| 方法 | 費用 | 難度 | 自動更新 | 表示件数 |
|---|---|---|---|---|
| Trustindex 無料版 | 0円 | 低 | なし(手動) | 10件 |
| Trustindex 有料版 | 年65ドル〜 | 低 | あり | 無制限 |
| Places APIで自前実装 | 月1,000件まで無料 | 高 | あり | 最大5件 |
| Places UI Kit | 月10,000コールまで無料 | 中 | あり | 最大5件 |
| Googleマップ埋め込み | 0円 | 最低 | ― | 本文は表示されない |
| 手動でコピー | 0円 | 最低 | なし | 任意(推奨しません) |
中小企業や店舗であれば、まず無料版で始めて、更新頻度が足りないと感じたら有料版に上げる、という進め方で十分です。自前実装は、既存システムとの連携など特別な事情がある場合に限られます。
星4以上だけ表示してもいいのか

もっとも相談を受けるのがこの点です。プラグインには評価でフィルタする機能があるため、技術的には星4以上だけを表示できます。ただし、3つの観点から慎重に判断してください。
Googleは絞り込みの開示を求めています
Places APIのポリシーには、クチコミがどのように並べ替え・絞り込みされているかを、適用した条件も含めて明確に告知するよう記載されています。既定は関連度順であることも明記されています。フィルタをかけるなら、その旨を書き添える必要があります。
好意的な評価だけを抜き出すと「事業者の表示」になります
消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aでは、お客様の声を掲載する場合について、無作為に選んだ回答を変更せずに引用するのであれば事業者の表示に該当しないが、好意的な評価のみを抽出したり良い点だけを引用したりする場合は事業者の表示に該当し、その旨の明瞭な表示が必要になるとされています(消費者庁)。
2023年10月から、一般消費者が事業者の表示だと判別しにくい表示は景品表示法違反になります。自社サイトに載せること自体は事業者の表示であることが明白なので問題ありませんが、抽出の仕方には注意が必要です。
星5だけ並べると逆効果になります
ノースウェスタン大学のSpiegel Research Centerの調査では、購入確率がもっとも高くなるのは星4.0から4.7の範囲で、5.0に近づくと逆に下がることが示されています(Spiegel Research Center, 2017年)。
完璧すぎる評価は、かえって疑われるということです。良い評価だけを見せる工夫が、信頼を損なう結果につながります。
おすすめは全件表示と返信の併記
制作会社としてお勧めしているのは、フィルタをかけずに表示し、低評価には店舗側の返信を添える形です。無料版でも返信の表示は可能です。指摘に真摯に対応している様子が見えるほうが、星の平均値よりも信頼につながります。
掲載するとどう効くのか
検索結果に星が出ない以上、効果はサイト内での行動に現れます。
レビューがあるだけで購入確率が変わります
前述のSpiegelの調査では、レビューが5件ある商品の購入確率は、レビューが0件の商品と比べて270%高くなるという結果が出ています。低価格帯の商品で190%、高価格帯の商品では380%の上昇が確認されています。
件数の効果は5件あたりで頭打ちになります
同じ調査では、5件目以降は効果が急速に逓減することも示されています。つまり、数十件を並べる必要はありません。表示は5件前後で十分に効果を得られます。無料版の10件という上限も、実用上は問題にならないということです。
どこに置くのが効果的か
置き場所によって効き方が変わります。
基本は申し込み導線の直前
サービスの説明を読んで検討している段階で、最後のひと押しとして機能します。問い合わせフォームや申し込みボタンの直前に、3〜5件のスライダーを置く形が扱いやすいです。
フッターには軽いバッジ型を
全ページ共通で見せたい場合は、星の平均と件数だけを示すバッジ型が適しています。表示が軽く、レイアウトへの影響も小さく済みます。
全ページに大きく置くのは避ける
大きなグリッド型を全ページに設置すると、読み込む要素が増えて表示が重くなります。またクチコミの件数によって高さが変わるため、読み込み中にレイアウトがずれる原因にもなります。設置する場合は、あらかじめ高さを確保するCSSを当てておいてください。
よくある質問(FAQ)
Googleビジネスプロフィールを持っていなくても使えますか?
使えません。表示するクチコミはGoogleビジネスプロフィールに投稿されたものなので、まずプロフィールの登録とクチコミの獲得が前提になります。
クチコミが増えたらサイトにも自動で反映されますか?
無料版では自動反映されません。管理画面から手動で更新する必要があり、その頻度も1〜2週間に1回程度に制限されています。自動更新が必要なら有料版を検討してください。
悪いクチコミを非表示にできますか?
機能としては可能です。ただし、絞り込みの条件を明示する必要があること、好意的な評価のみの抽出は景品表示法上の配慮が必要になること、そして星5だけでは逆に信頼されにくいことを踏まえて判断してください。返信を添えて表示するほうが結果的に有利です。
表示速度に影響しますか?
このプラグインはクチコミをWordPress側に保存し、遅延読み込みにも対応しているため、表示のたびに外部へ問い合わせる構造ではありません。ただし設置数や表示形式によって変わるので、導入後にPageSpeed Insightsで実測することをおすすめします。
クチコミを載せるとSEOに効きますか?
検索結果に星が出るという意味では効きません。一方で、ページの内容が充実し、サイト内での成約率が上がるという意味では有効です。順位対策ではなく、訪問者の判断材料として位置づけてください。
複数店舗のクチコミをまとめて表示できますか?
無料版はウィジェットが1つまでのため、1店舗分の表示になります。複数拠点を扱う場合は有料版が必要です。
お客様アンケートの結果を「お客様の声」として載せる場合はどうですか?
消費者庁のQ&Aでは、無作為に選んだ回答を変更なく引用する場合は事業者の表示に該当しないとされています。良い評価だけを選んで載せる場合は、事業者の表示である旨を明瞭に示す必要があります。掲載の仕方によって扱いが変わる点に注意してください。
まとめ|星は出ない。それでも載せる意味がある
WordPressにGoogleのクチコミを表示すること自体は、無料のプラグインで簡単にできます。ただし期待されがちな「検索結果に星が出る」という効果は得られません。Googleが自社サイトへの自社レビュー掲載をレビュースニペットの対象外としているためです。
効くのは、サイトを訪れた人の判断です。5件ほどのクチコミを申し込み導線の直前に置くだけで、成約率は変わります。フィルタで良い評価だけを見せるより、返信まで含めて誠実に見せるほうが結果につながります。
当社では、サイト制作とあわせてGoogleビジネスプロフィールの整備やクチコミ運用のご相談も承っています。どこに何を置くべきか迷われている場合は、お気軽にお問い合わせください。