従業員30人以下の会社であれば、安否確認の連絡体制は今日から0円で作れます。LINE WORKSのフリープランには、安否確認アンケートの作成・回答・自動集計と、掲示板の既読確認・未読者への再通知が含まれているためです。この記事では、無料でどこまでできるのか、有料システムに切り替える判断基準はどこかを、システムを販売していない制作会社の立場で整理します。あわせて、経済産業省の資料が示す「質問は5項目に絞る」という設計指針と、訓練の数値目標も紹介します。
結論|30人以下の会社なら無料で作れます

安否確認に必要な機能は、突き詰めると3つだけです。全員に同時に届けること、決まった形式で回答を集めること、誰が答えていないかを把握することです。この3つは無料で揃います。
必要なのは「一斉配信・定型回答・未回答の把握」の3つ
逆に言えば、この3つが揃っていない手段は安否確認に使えません。電話連絡網は一斉配信ができず、メールは誰が読んだか分からず、個人のSNSは全員に届く保証がありません。
LINE WORKSのフリープランでどこまでできるか
LINE WORKSのフリープランは30人まで無料で使えます。安否確認に関わる機能の可否は次のとおりです(LINE WORKS 料金プランおよび公式ヘルプのプラン比較表より)。
| 機能 | フリープラン | 補足 |
|---|---|---|
| グループトークの作成数 | 制限なし | 緊急時用グループを事前に作れる |
| 未読メンバーの確認 | 使える | 既定で有効(変更不可) |
| アンケートの作成・回答 | 使える | 安否確認フォームを作れる |
| 回答の自動集計・グラフ表示 | 使える | 手集計が不要 |
| 掲示板の既読確認・未読者への再通知 | 使える | マニュアルの周知に使える |
| 掲示板の数 | 10個まで | 有料は300個 |
| アンケートのテンプレート新規作成 | 使えない | 毎回作り直しになる |
| 回答方式の固定(記名/匿名の指定) | できない | 既定値のまま変更不可 |
| 重複回答の禁止 | できない | 既定で許可のまま |
安否確認の中核である「一斉に送る」「定型で答えてもらう」「自動で集計する」「未読・未回答を見る」は、すべて無料の範囲に入っています。まずここから始めて問題ありません。
有料でないと届かない線はどこか
大きく2つです。1つは災害を検知して自動で配信する機能で、これはLINE WORKS本体には有料プランでも含まれていません(外部サービスとの連携が必要です)。もう1つは、管理者が回答方式を固定できないことです。フリープランでは記名か匿名かの設定を変更できないため、匿名回答が混ざると名簿との突合が崩れます。
有料のスタンダードプランは1ユーザーあたり月450円(年額契約・税抜)です。30人を超えたタイミング、または回答を記名に固定したくなったタイミングが切り替えの目安になります。
電話連絡網では回らない理由
「うちは電話連絡網があるから大丈夫」という会社は多いのですが、災害時には機能しにくい構造上の問題があります。
災害時は電話がつながらない前提で制度が作られている
NTT東日本は災害用伝言ダイヤル(171)の提供条件として、「地震等の災害発生時に、被災地の方の安否を気遣う通話が増加し、被災地への通話がつながりにくい状況(ふくそう)になった場合、速やかにサービスを提供します」と説明しています(NTT東日本)。通信事業者自身が、災害時に電話がつながらなくなることを前提に代替手段を用意しているということです。
ツリー型は1人つながらないとその先が全部止まる
上から順に伝えていく連絡網は、途中の1人と連絡が取れないだけで、その下の全員に情報が届きません。しかも、どこで止まったのかを把握するのに時間がかかります。
集計に人手と時間がかかる
電話で聞き取った内容を紙やExcelに転記していては、後述する「30分以内」という目標時間には到底間に合いません。安否確認は、集めた結果をもとに事業をどう動かすかを判断するためのものなので、集計が遅れると判断そのものが遅れます。
安否確認はBCPの中核に位置づけられています

安否確認は「やっておいたほうがいいこと」ではなく、事業継続計画の定義そのものに含まれる対策です。
内閣府の定義に「安否確認の迅速化」が入っている
内閣府はBCP(事業継続計画)を「災害時に特定された重要業務が中断しないこと、また万一事業活動が中断した場合に目標復旧時間内に重要な機能を再開させ(中略)企業を守るための経営戦略」と定義し、実施する対策として「バックアップシステムの整備、バックアップオフィスの確保、安否確認の迅速化、要員の確保、生産設備の代替など」を挙げています(内閣府 防災情報のページ)。
目的は「稼働できる要員の把握」でもある
内閣府の事業継続ガイドライン(令和5年3月)は、初動対応として「従業員等の安否確認を実施、結果を集約」を挙げ、脚注で「安否確認は、事業継続のために稼動できる要員を把握する意味においても重要である」と述べています(事業継続ガイドライン)。
安否確認は従業員を気遣うためだけの行為ではありません。明日から誰が働けるのかを知り、どの業務を優先して再開するかを決めるための情報収集でもあります。この視点があると、聞くべき質問も自然に決まります。
中小企業のBCP策定率は18.3%
帝国データバンクの調査(2026年5月実施、有効回答10,521社)では、BCPを策定している企業は全体で21.4%、大企業39.9%に対し中小企業は18.3%でした(帝国データバンク)。策定しない理由の上位は「必要なスキル・ノウハウがない」42.2%、「策定する人材を確保できない」33.5%です。
裏を返せば、完璧な計画書を作ろうとするから進まないということです。安否確認の連絡体制だけなら、この記事の手順で今日中に形になります。
実際に効いた取り組みの上位に入っている
内閣府の「令和7年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」では、被害を受けた際に有効だった取り組みとして「安否確認や相互連絡のための電子システム(災害用アプリ等を含む)の導入」が全体で38.8%と第2位、大企業では55.3%で第1位でした。
事業継続力強化計画の認定という選択肢
中小企業庁は、防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する「事業継続力強化計画」制度を設けており、これを「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけています(中小企業庁)。認定を受けると、中小企業防災・減災投資促進税制による特別償却16%、日本政策金融公庫の低利融資、一部の補助金での加点といった支援を受けられます。
税額控除ではなく特別償却である点は間違えやすいので、検討する際は顧問税理士に確認してください。
何を聞くか|国の資料は「5項目に絞れ」と書いています
安否確認の解説記事の多くは「あれも聞くべき、これも聞くべき」と項目を増やしていきますが、経済産業省の資料は逆のことを言っています。
公式シートに載っている5項目
経済産業省 北海道経済産業局が公開している「安否確認訓練企画シート」の記載例では、報告事項は次の5つです(北海道経済産業局)。
| 報告事項 | 選択肢 |
|---|---|
| 氏名 | 自由記述 |
| 所属部署 | 自由記述 |
| 本人の安全状況 | 無事/軽傷(移動可能)/重症(移動不可) |
| 家族の安否状況 | 無事/負傷者あり |
| 出社可能性 | 出勤可/出勤不可 |
項目を増やすと回答率が下がります
同シートは「災害時は心理的・物理的に余裕がないため、回答項目が多いと回答できない原因となります。よって5項目程度の最低限必要な項目に限定することが回答率を高めるために必要となります」と明記しています。
自宅の被害状況や現在地を加えている例も見かけますが、聞きたいことを足していくほど回答が返ってこなくなります。設計は足し算ではなく引き算です。
質問の順番は「本人の無事→負傷→出社可否」
同シートは「回答の順番は『本人の無事→怪我の有無→出社可否』のように直感的に回答できるように設定しましょう」とも書いています。いきなり出社可否から聞くと、被災した人が答えにくくなります。
全員から回収することが目的ではありません
同シートのなかで、もっとも見落とされている一文がこれです。「災害時の安否確認は、全員の回答を100%回収することではなく、『短時間で本当に危険な可能性がある人』を把握することが目的です」。
回答率100%を目指すと、担当者は返事のない人を延々と追いかけることになります。目的は危険な状態にある人を早く見つけることなので、追いかけ方にも設計が要ります。
0円で作る手順

ここからは実際の作り方です。LINE WORKSのフリープランを前提にしていますが、考え方はほかのビジネスチャットでも同じです。
ステップ1|緊急時用のグループを先に作っておく
災害が起きてからメンバーを集めるのでは間に合いません。全従業員を招待した「緊急連絡」グループを平時に作っておきます。グループトークの作成数はフリープランでも制限がないので、部署別のグループとは別に用意して構いません。
ステップ2|トークルームのアイコンを目立たせる
普段使わないグループは埋もれます。アイコンを赤系の色や「!」など目立つマークにしておくと、一覧のなかで即座に見つけられます。LINE WORKSの公式ページでも推奨されている工夫です。
ステップ3|安否確認アンケートを下書きしておく
前述の5項目でアンケートを作り、内容を控えておきます。フリープランではテンプレートとして保存できないため、質問文と選択肢をテキストファイルやドキュメントに保存しておき、有事の際はコピーして貼り付けられるようにしておきます。
この控えは、担当者以外もアクセスできる場所に置いてください。担当者の個人PCの中だけにあると、その人が動けないときに誰も作れません。
ステップ4|掲示板に出社基準とマニュアルを常設する
台風や大雪のときの出社・退社の基準、緊急時の行動手順は、トークに流すと後から探せません。掲示板に置いて常設します。フリープランでも既読メンバーの確認と未読者への再通知が使えるので、「読んだかどうか」を管理できます。
掲示板はフリープランで10個までなので、「緊急時対応」1つにまとめて運用するのが現実的です。
ステップ5|発信担当を2人以上決める
ここが最も抜けやすい設計です。LINE WORKSの公式ページも「非常時の安否確認や情報発信は『複数名』で行うことを前提にご検討ください。ご担当者本人が、被害にあわれる可能性を想定にいれましょう」と明記しています。
第1発信者、第2発信者、第3発信者まで決め、誰がいつ判断して発信するかを掲示板に書いておきます。前述の北海道経済産業局のシートでも、通知は総務部、未回答者へのフォローは各部署責任者と、担当を分ける設計例が示されています。
ステップ6|名簿と突合できる状態にしておく
回答が集まっても、全従業員の名簿がなければ誰が未回答かは分かりません。中小企業庁が公開している「中小企業BCP策定運用指針」には、様式12「従業員連絡先リスト」や様式04「従業員携帯カード」などのWordひな形が用意されています(中小企業庁)。ゼロから作る必要はありません。
無料ではできないことも書いておきます
できることばかり並べても実務では役に立たないので、限界も明記します。
災害を検知して自動で送る機能はありません
これは有料プランでも同じで、LINE WORKS本体には自動配信の機能が含まれていません。公式ページも「アンケートには、災害を検知して自動で配信する機能はありません」と明記し、自動配信が必要な場合は外部サービスとの連携を案内しています。
つまり、誰かが手動で送信ボタンを押す必要があります。ステップ5で発信担当を複数決めておくことが、そのまま自動化の代わりになります。
フリープランは回答方式を管理者が固定できません
記名か匿名かの設定、重複回答の可否などが既定値のまま変更できません。匿名で回答されると名簿と突合できないため、運用でカバーする必要があります。具体的には、アンケートの1問目を「氏名(自由記述)」にして、必ず名前を書いてもらう形にします。
アンケートの一覧は閲覧のみです
フリープランではアンケート一覧の検索と削除ができません。毎年の訓練で回数を重ねると、過去の回答が探しにくくなります。訓練の結果は、その都度スプレッドシート等に書き出して保存しておくことをおすすめします。
有料システムに切り替える判断基準
次の3つのどれかに当てはまったら、専用システムの検討時期です。
従業員が30人を超えたとき
LINE WORKSのフリープランの上限です。スタンダードプラン(1ユーザー月450円・年額契約・税抜)に移行するか、専用システムに切り替えるかの分岐点になります。
夜間や休日に自動で起動させたいとき
深夜の地震で、担当者が誰も起きていない状況を想定するなら自動配信が必要です。気象庁の情報と連動して自動送信できるのは専用システムの領域です。
未回答者への自動再送が必要なとき
人数が増えるほど、未回答者を人力で追いかけるのが難しくなります。一定時間ごとに未回答者だけへ自動で再送する機能は、100人を超えたあたりから効いてきます。
主な専用システムの料金
| サービス | 初期費用 | 月額(50人規模) | 災害検知の自動配信 |
|---|---|---|---|
| LINE WORKS フリー | 0円 | 0円(30人まで) | なし |
| LINE WORKS スタンダード | 0円 | 450円/人(年額・税抜) | なし |
| トヨクモ 安否確認サービス2 ライト | 0円 | 6,800円(税抜) | なし |
| トヨクモ 同 プレミア | 0円 | 8,800円(税抜) | あり |
| セコム安否確認サービス スマート | 0円 | 11,000円まで(税込) | あり |
| ANPIC | 25,000円(税抜) | 5,130円(税抜) | あり(地震) |
注意したいのは、最安プランには自動配信が付いていない場合があることです。トヨクモのライトプランには災害時の自動一斉送信も未回答者への自動再送信も含まれていません。「気象庁と連動して勝手に飛ぶ」ことを期待するなら、プレミア以上を選ぶ必要があります。料金は変更されることがあるため、契約前に各社の公式ページで最新の内容を確認してください。
個人のLINEや携帯電話を使うことの問題

「わざわざツールを入れなくても、社員の個人LINEでグループを作ればいい」という運用をよく見かけます。手軽ですが、いくつか問題を抱えています。
平時の名簿づくりには同意と利用目的の明示が要ります
従業員の私用の電話番号やメールアドレスは個人情報です。緊急連絡先として集めるなら、利用目的を明示したうえで取得する必要があります。会社が一方的に開示を強制できる性質のものではない、と考えておくのが安全です。
災害時は本人の同意なしで共有できます
一方で、いざ災害が起きたときは話が別です。個人情報保護委員会は、大規模災害等の緊急時に被災者情報を関係者で共有する場合について、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」は本人の同意が不要であると説明しています(個人情報保護委員会 FAQ)。
平時の名簿づくりには丁寧な手続きが要るが、有事の情報共有は法が正面から認めている。この二段構えを理解しておくと、社内の議論が前に進みます。
私用端末の通信費を負担させるなら就業規則に定めが必要です
労働基準法第89条第1項第5号は、労働者に作業用品などの負担をさせる定めをする場合、就業規則に記載しなければならないと規定しています。私用のスマートフォンや通信費を業務連絡に使わせる運用にするなら、規程の整備が必要になります。
退職時に履歴と連絡先を回収できません
個人LINEでのやり取りは、退職後も本人の端末に残ります。会社側で削除させることはできません。組織アカウントであれば、管理者が退職時にアカウントを停止できます。北海道経済産業局のシートも、ツール選定の注意事項として「個人情報保護、情報セキュリティ、アクセシビリティ等の要件を満たし、組織アカウントを用いて適切に運用してください」と明記しています。
訓練の設計|報告率90%以上・30分以内
体制を作っただけでは動きません。年に1回でいいので訓練が必要です。国の資料には、そのまま使える設計例があります。
公式シートが示す時間配分
| プログラム | 所要時間 |
|---|---|
| 安否確認訓練の開始通知 | ― |
| 回答 | 15分 |
| 未回答者に対するフォロー | 30分 |
| 集計 | 15分 |
| 評価・振り返り | 15分 |
全体で1時間30分の設計です。通常業務を止めずに実施できる分量に収まっています。
到達目標は「報告率90%以上・所要時間30分以内」
同シートの記載例では、この2つが目標値として示されています。訓練の目的も「災害時に出社可能な従業員数を早期に把握し、事業再開判断に必要な情報を迅速に収集できるか確認する」と、事業継続の視点で書かれています。
回答時間は15分、フォローに30分取る理由
回答時間を短く設定するのは、「災害時は『すぐに連絡可能な人』と『連絡が取れない人』に2分される」ためです。だらだら待っても回答は増えません。
一方でフォローに30分を割くのは、「未回答者に対するフォローの時間が短すぎると、返事がない本当の理由が把握できず、『危険な状態にある人』と『単なる見落としの人』が区別できない」ためです。時間をかけるべきところが逆にならないよう注意してください。
慣れてきたら事前連絡なしで実施する
同シートは「安否確認訓練を複数回実施し、慣れてきた場合は、事前の連絡をせずに安否確認を行うことも効果的です」としています。最初の1〜2回は予告あり、3回目から抜き打ち、という進め方が現実的です。
訓練の頻度
内閣府の事業継続ガイドラインは回数を数値で定めておらず、「定期的(年次等)に行うほか、体制変更、人事異動、採用等により要員に大幅な変更があったとき、さらに、BCPの見直し・改善を実施したときに行う」としています。北海道経済産業局のシートは「毎年1回以上行うことで、回答率が高まり、報告の所用時間が短くなることが理想です」と、より具体的な目安を示しています。
なお、この企画シートはWord形式で配布されており、社内訓練での利用に限って複製・引用が認められています。ゼロから作らず、これを埋めるところから始めるのが早道です。
集計した後に何をするか
安否確認は集計して終わりではありません。集めた情報をどう使うかまで決めておいて、はじめて体制になります。
訓練は3つの指標で振り返る
報告率、所要時間、未回答者数の3つで評価します。北海道経済産業局のシートの記載例では、報告率92%・所要時間45分・未回答者4人という結果に対し、「未回答者は新人中心。教育強化必要」「ツールの操作ミスで回答が実施できなかった」といったコメントを添え、次回への改善プランにつなげています。
出社可能人数から事業継続の判断へ
本番では、集計結果から「明日何人動けるか」を把握し、どの業務を優先して再開するかを決めます。内閣府のガイドラインが安否確認の目的を「事業継続のために稼動できる要員を把握する」と定義しているのは、この流れを想定してのことです。
あわせて、出社可能な人への集合場所と時刻の指示、被害の大きい拠点への支援、取引先への状況連絡までを、あらかじめ手順として書いておいてください。
よくある質問(FAQ)
従業員10人ほどの会社でも安否確認は必要ですか?
必要です。人数が少ないほど、1人動けなくなるだけで業務が止まります。10人規模であればLINE WORKSのフリープランで十分に運用でき、費用もかかりません。
LINE公式アカウントで安否確認はできますか?
一斉配信はできますが、安否確認の一次手段には向きません。分析で見られるのは配信数や開封数といった集計値が中心で、誰が回答して誰が未回答かを名簿単位で把握する仕組みがないためです。友だち追加も本人の任意操作なので、全員に届く前提が成り立ちません。
Googleフォームでも代用できますか?
回答の自動集計だけなら無料でできます。ただし、届いたかどうかを確認できない、未回答者への再送を人力でやることになる、という弱点があります。つなぎとしては有効ですが、送信手段は別に用意してください。
パートやアルバイトも対象に含めるべきですか?
北海道経済産業局のシートは、会社の体制や、事業継続に不可欠な業務に従事しているかを考慮して検討するよう示しています。全従業員を対象にするのが理想ですが、難しい場合は現場対応が必要な人や主要業務の担当者から始めてください。
家族の安否まで聞く必要がありますか?
国の資料の記載例には「家族の安否状況(無事/負傷者あり)」が含まれています。家族が負傷している従業員は出社が難しいため、事業継続の判断材料として意味があります。詳細な状況までは聞かず、2択に留めるのが回答率の面でも適切です。
訓練は業務時間内にやるべきですか?
最初は業務時間内で構いません。操作に慣れることが目的だからです。慣れてきたら、時間帯を変えて実施すると実態に近づきます。ただし、時間外に回答を求める運用は労務上の整理が必要になるため、事前に社内で決めておいてください。
安否確認システムに補助金は使えますか?
事業継続力強化計画の認定を受けると、一部の補助金で加点が受けられます。また、自治体独自の防災関連の助成制度がある場合もあります。まずは事業継続力強化計画の認定を検討し、あわせて所在地の自治体の制度を確認してください。
まとめ|完璧な計画より、動く連絡体制を先に
BCPが進まない理由の上位は「ノウハウがない」「人がいない」でした。だからこそ、計画書を完成させることを目標にせず、動く連絡体制を先に作ることをおすすめします。
30人以下なら費用はかかりません。緊急時用のグループを作り、5項目のアンケートを控えておき、発信担当を2人以上決める。ここまでで実務は回り始めます。あとは年に1回、報告率90%・30分以内を目標に訓練するだけです。
当社では、社内の情報共有や連絡体制の整備についてもご相談を承っています。ツールの選定から運用ルールの設計まで、事業の規模に合った形をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。