LINE WORKSとLINEは、「外部トーク連携」という機能を使うことで直接トークができます。お客様に新しいアプリを入れてもらう必要がなく、普段使っているLINEのまま企業側とやり取りできるのが最大の特徴です。この記事では、LINE WORKSとLINEの違い、連携でできること・できないこと、管理者側の設定手順、そしてWeb制作会社の視点から見た「サイトの問い合わせ導線への組み込み方」までをまとめて解説します。
LINE WORKSとLINEは「外部トーク連携」でつながる

外部トーク連携とは、LINE WORKSのトークルームに、社外の個人LINEユーザーや他社のLINE WORKSユーザーを招いてやり取りできる機能です。LINE WORKSは、個人のLINEと直接つながれる数少ないビジネスチャットで、この点が他のビジネスチャットツールとの決定的な違いになっています。
そもそもLINE WORKSは、LINEと同じ操作感を持つ法人向けのビジネスチャットです。トーク・スタンプ・既読表示といったUIはLINEをほぼ踏襲しているため、現場スタッフへの教育コストが低く、ITツールに不慣れな組織でも定着しやすいという利点があります。そのうえで、管理者画面・監査ログ・アカウントの一括管理といった法人に必要な統制機能が備わっています。
つまり外部トーク連携は、「顧客にとってはいつものLINE、企業にとっては管理できる業務チャット」という状態を成立させる仕組みだと考えると分かりやすいです。
LINE WORKS・LINE・LINE公式アカウントの違い
結論から言うと、LINE WORKSは「1対1の業務コミュニケーション」、LINE公式アカウントは「1対多の情報発信・集客」に向いた別物のサービスです。この2つは名前が似ているため混同されやすく、導入相談の場でも取り違えが起きがちなポイントです。
| 項目 | LINE WORKS | LINE(個人) | LINE公式アカウント |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | 社内・社外の業務連絡 | プライベートの連絡 | 販促・一斉配信・集客 |
| やり取りの形 | 1対1/グループ | 1対1/グループ | 1対多(配信中心) |
| アカウント発行 | 管理者が付与 | 個人が自由に取得 | 企業・店舗が開設 |
| 管理者画面・監査ログ | あり | なし | あり(配信管理中心) |
| 料金の考え方 | ユーザー数課金 | 無料 | 配信数に応じた課金 |
LINE WORKSの料金は、30人まで使えるフリープランが0円、有料プランはスタンダードが月額450円/ユーザー(年額契約・税抜)、アドバンストが月額800円/ユーザー(年額契約・税抜)です。月額契約の場合はそれぞれ540円・960円となり、年額契約のほうが約2割安くなります(2026年8月時点。最新の金額は公式サイトでご確認ください)。
実務では「一斉告知はLINE公式アカウント、個別のやり取りはLINE WORKS」と役割を分けて併用するケースが多く、どちらか一方だけで完結させようとすると無理が出ます。
外部トーク連携でできること・できないこと
外部トーク連携では、日常的な連絡に必要な機能はほぼ使えますが、通話系とLINE WORKS独自のグループ機能は対象外です。「テキストのやり取りは自由、それ以外は制限あり」と覚えておくと判断を誤りません。
| できること | できないこと |
|---|---|
| テキストメッセージの送受信 | 音声通話・ビデオ通話 |
| スタンプ・絵文字 | 画面共有 |
| 画像・動画・ファイルの送信 | 掲示板・カレンダーなどの共有 |
| ボイスメッセージ | LINE WORKS側のグループ機能への招待 |
| 位置情報の共有 | 相手のアカウント情報の管理 |
| 企業側での監査ログ取得 | LINE側の履歴を企業が管理すること |
特に注意したいのが通話です。LINE WORKS同士であれば音声通話・ビデオ通話が使えるため、「連携すればお客様とも通話できる」と誤解されがちですが、外部連携したLINEユーザーとの通話はできません。電話でのやり取りが前提の業務では、通話は従来どおり電話回線を使う設計にしておく必要があります。
なお対応機能は仕様変更で追加・変更される場合があります。運用ルールを固める前に、公式ヘルプで最新の対応状況を確認しておくと安全です。
LINE WORKSとLINEを連携する手順

連携は「管理者が機能を開放する」→「利用するメンバーがLINEユーザーとつながる」という2段階で進みます。管理者側の設定を飛ばすとメンバー側でいくら操作しても外部の相手を追加できないため、順番が重要です。
- 管理者画面で外部トーク連携を有効にする:管理者アカウントで管理画面にログインし、トーク関連の設定から外部ユーザーとのトークを許可します。
- 利用できるメンバーを指定する:全社員に開放するか、営業・店舗スタッフなど特定のメンバーだけに限定するかをここで決めます。
- メンバーがLINEユーザーを追加する:LINE WORKSアプリの連絡先追加から、相手のLINEアカウントを検索したり、QRコードやリンクを共有したりしてつながります。
- 相手が承認してトーク開始:LINE側で承認されると、通常のトークルームと同じように会話ができるようになります。
複数の外部ユーザーを含むグループトークをつくる場合は、招待の向きに制約があります。LINE WORKS側から他社のLINE WORKSユーザーとLINEユーザーを同じルームにまとめて招待することはできないため、この構成が必要なときはLINE側のトークルームに招いてもらう形になります。運用設計の段階で押さえておきたい仕様です。
Web制作会社の視点|サイトの問い合わせ導線に組み込むときの設計
サイト制作の観点では、LINE WORKSは「フォームで取りこぼしていた問い合わせを拾う受け皿」として機能します。ただし、Webサイトの導線に組み込むときは、メールフォームとの役割分担を先に決めておかないと運用が破綻します。
制作の現場でよく採る設計は次の3つです。ひとつ目は、フォームは「見積もり依頼など記録を残したい相談」、LINEは「気軽な質問・日程調整」と入口を分けること。ふたつ目は、担当者個人のLINEではなく必ずLINE WORKS側で受けること。個人アカウントで対応すると、退職時にやり取りが会社に残らず、顧客情報も引き継げません。3つ目は、返信できる時間帯をサイト上に明記することです。LINEはリアルタイム性を期待されるため、「翌営業日までに返信」と書いておくだけでクレームがはっきり減ります。
集客のためにサイトから友だち追加を増やしたいのであれば、LINE公式アカウントを設置し、個別のやり取りが発生した先をLINE WORKSに寄せるという二段構えが現実的です。目的が「配信」なのか「対話」なのかで、置くべきボタンは変わります。
導入前に決めておきたい運用ルールとセキュリティ
外部トーク連携は便利な反面、社外へ情報が出ていく経路が増えるということでもあります。ツールを配る前に、最低限のルールを文書化しておくことをおすすめします。
- 外部連携を使えるメンバーの範囲を限定する(全社開放にしない)
- 顧客とのやり取りは必ず会社アカウントで行い、個人LINEを使わせない
- 監査ログの取得可否と保存期間を決めておく
- 退職・異動時のアカウント停止と引き継ぎの手順を用意する
- 送ってよい情報の線引き(見積書は可、個人情報はフォーム経由など)を決める
LINE WORKSには管理者による利用制限や監査ログの仕組みが用意されているため、ルールを決めれば統制は効かせられます。逆に言えば、設定しないまま配ると個人LINEでの業務連絡と大差ない状態になってしまうため、導入初期の設計が要になります。
よくある質問(FAQ)
LINE WORKSの無料プランでも外部トーク連携は使えますか?
使えます。フリープラン(30人まで・0円)でも外部トーク連携の機能自体は利用できます。ただし監査ログの保存やストレージ容量など運用面の制約があるため、業務で本格的に使う場合は有料プランの検討が必要です。
お客様側にLINE WORKSのインストールは必要ですか?
不要です。お客様は普段お使いのLINEのままでやり取りできます。新しいアプリを入れてもらう必要がないため、導入のハードルが低いことが外部トーク連携の最大の利点です。
連携したLINEユーザーと音声通話はできますか?
できません。外部トーク連携で使えるのはテキスト・スタンプ・画像・ファイル・ボイスメッセージなどで、音声通話とビデオ通話は対象外です。通話が必要な業務は電話回線を併用する前提で設計してください。
LINE公式アカウントとどちらを導入すべきですか?
目的で決めます。クーポンやお知らせを一斉配信して集客したいならLINE公式アカウント、担当者が個別にお客様とやり取りしたいならLINE WORKSです。両方の目的があるなら併用が基本になります。
社員が退職したら、お客様とのトーク履歴はどうなりますか?
LINE WORKSで対応していれば、管理者側でアカウントを停止し、監査ログとして履歴を残す運用ができます。個人のLINEで対応していた場合は会社に何も残らないため、顧客対応を個人アカウントに任せない体制づくりが重要です。
まとめ
LINE WORKSとLINEの連携は、外部トーク連携機能を有効にするだけで始められます。お客様に負担をかけずに連絡経路を用意できる一方で、通話ができない、グループ機能を共有できないといった制約もあるため、導入前に「何をLINEでやり、何を別の手段でやるか」を決めておくことが成功の分かれ目です。
スリーディープラスでは、Webサイトの問い合わせ導線の設計から、LINE公式アカウントやチャットツールとの役割分担まで含めてご相談を承っています。「フォームからの問い合わせが増えない」「LINEで来た相談が属人化している」といったお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

