中小機構の「サイバーセキュリティ特別相談窓口」とは、中小企業の情報セキュリティ対策について、無料で何度でも電話相談できる窓口です。2026年10月27日付けで設置され、受付は平日9時〜17時、電話番号は03-5860-1869です。「何から手を付ければいいか分からない」「社内に詳しい人がいない」という段階から相談できます。この記事では、公表されている内容と、相談の前にそろえておくと話が早い情報を、Webサイトやサーバーを管理している制作会社の立場から整理します。
サイバーセキュリティ特別相談窓口の概要

窓口は、中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)が運営する「IT経営サポートセンター」に置かれています。中小機構は設置の理由を「我が国企業等に対するサイバー攻撃が相次ぎ、大規模な情報漏えい被害などが多数発生しております」と説明しています。
| 名称 | サイバーセキュリティ特別相談窓口 |
|---|---|
| 設置日 | 2026年10月27日 |
| 電話番号 | 03-5860-1869 |
| 受付時間 | 平日9時00分〜17時00分 |
| 費用 | 無料(通話料は相談者の負担) |
| 回数 | 何度でも相談できる |
| 運営 | 中小機構 IT経営サポートセンター |
J-Net21の記事によると、これは経済産業省の発表に基づく取り組みです。中小機構のIT経営サポートセンターに加えて、各都道府県の「よろず支援拠点」にも同じ名前の窓口が置かれています。商工団体・金融機関・税理士などの支援機関を通じて、中小企業へ情報を届ける取り組みも同時に始まりました。
電話のほかに、経営相談チャットサービス「E-SODAN(イーソーダン)」でも、平日9時〜17時に専門家とチャットで相談できます。電話がしにくい職場では、こちらを使う方法もあります。
相談できる内容
相談できるのは、情報セキュリティ対策、リスクの整理、情報資産の管理、社内の管理体制の4つです。中小機構の案内には「中小企業の情報セキュリティ対策、リスクの整理、情報資産管理、管理体制等に係る相談」と書かれています。
- 情報セキュリティ対策:自社に必要な対策は何か、どこから始めるか
- リスクの整理:顧客情報や取引データが漏れたら何が起きるか、どこが弱いか
- 情報資産の管理:パソコン、メール、Webサイト、クラウドサービスなど、守る対象の洗い出し
- 管理体制:誰が責任者で、何かあったとき誰が判断するか
IT経営サポートセンターはふだんから、セキュリティ対策の相談として「自社に必要な対策が分からない」「テレワークで情報が漏れないか心配」「IT担当者がいない」といった例を挙げています。専門知識がない状態で相談してよい窓口です。
相談の前にそろえておくと話が早いもの
相談の前に「自社が使っているもの」と「それぞれを誰が管理しているか」を書き出しておくと、具体的な助言をもらいやすくなります。制作の現場でセキュリティの相談を受けるときも、最初の30分はこの確認に使うことがほとんどです。

- Webサイト:URL、使っている仕組み(WordPressなど)、制作・保守をしている会社
- サーバーとドメイン:契約しているサーバー会社とドメインの管理会社、契約者の名義
- メール:会社のメールがどこで動いているか(サーバーのメール、Google Workspace、Microsoft 365など)
- パソコンとスマホ:台数、OSの更新を誰が管理しているか、ウイルス対策ソフトの有無
- 顧客情報の置き場所:Excel、共有フォルダ、クラウド、通販サイトの管理画面など
- 外部に任せているもの:保守契約の内容、緊急時の連絡先
すでに気になることが起きている場合は、「いつ」「何を見て」「誰が」気づいたかをメモしておいてください。届いたメール、表示された画面、管理画面の通知は、消さずにスクリーンショットで残しておきます。時刻が分かると、原因を絞り込みやすくなります。
窓口と、制作会社・サーバー会社の役割の違い
公表されている内容を見るかぎり、特別相談窓口は対策や体制について助言をする場です。Webサイトの更新や設定変更そのものは、そのサイトを管理している制作会社やサーバー会社が行います。助言をもらったら、作業する人にそのまま伝えられる形にしておくと、対策が止まりません。
| こんなとき | まず相談する先 |
|---|---|
| 何から対策すればいいか分からない、社内ルールを作りたい | サイバーセキュリティ特別相談窓口、よろず支援拠点 |
| Webサイトの更新・改ざんの確認・WordPressやPHPの対応 | サイトを管理している制作会社 |
| サーバーの設定、メールの送受信の異常 | 契約しているサーバー会社 |
| 不正アクセスや金銭被害がすでに起きている | 都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口 |
| 個人情報が漏えいしたおそれがある | 個人情報保護委員会への報告が必要か確認する |
2026年10月はPHPの重大な脆弱性やフィッシングの増加が続き、弊社にも「うちのサイトは大丈夫か」という問い合わせが多く届きました。経過は2026年10月21日、PHPの重大な脆弱性で何が起きたか(まとめ)と不正アクセスの報告一覧(2026年9〜10月)にまとめています。サイトの状態を確かめたいときは、窓口で全体の方針を相談しつつ、サイトの管理者にも確認を依頼するのが確実です。
小さな会社ほど早めに相談したほうがよい理由
社員が少ない会社ほど、パスワードやサイトの管理が1人に集まり、その人しか状況を知らないことがよくあります。担当者の退職や急な不在で、サーバーのログイン情報が分からなくなる例は珍しくありません。費用がかからず何度でも相談できる窓口は、こうした「誰が何を持っているか」を整理するきっかけに向いています。
取引先から「セキュリティ対策の状況を教えてください」と聞かれる場面も増えています。相談して整理した内容は、そのまま社内の管理表や取引先への回答の下書きになります。被害が起きてから慌てて調べるより、落ち着いているうちに一度話を聞いておくほうが、結果的に手間もお金もかかりません。
よくある質問(FAQ)
相談は本当に無料ですか?
はい、無料です。中小機構の案内では「費用:無料(通話料は相談者負担)」とされています。回数の制限もなく、何度でも相談できます。
電話番号と受付時間を教えてください。
電話番号は03-5860-1869、受付時間は平日9時00分〜17時00分です。チャットで相談したい場合は、同じ時間帯に「E-SODAN(イーソーダン)」を利用できます。
ITに詳しくなくても相談できますか?
できます。「自社に必要な対策が分からない」「IT担当者がいない」という段階からの相談が想定されています。使っているサービスと管理している会社を書き出しておくと、話が進めやすくなります。
近くで相談できる場所はありますか?
J-Net21によると、各都道府県の「よろず支援拠点」にも同じ特別相談窓口が置かれています。地元の窓口で対面の相談をしたい場合は、お住まいの都道府県のよろず支援拠点に問い合わせてください。
Webサイトの修正も窓口でしてもらえますか?
公表されている内容は、対策や管理体制についての相談(助言)です。サイトの更新や設定の変更は、サイトを管理している制作会社やサーバー会社に依頼してください。弊社が管理しているサイトについては、担当者までお気軽にご連絡ください。
出典:中小機構「サイバーセキュリティ特別相談窓口の設置について」(2026年10月27日)、J-Net21「中小企業・小規模事業者向け『サイバーセキュリティ特別相談窓口』を設置」(2026年10月27日)、中小機構 IT経営サポートセンター