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データ入力代行とは、紙の名簿や名刺、アンケート、手書きの伝票などをExcelやCSVの形に打ち込む作業を、外部の会社や個人に任せることです。ホームページやネットショップのリニューアルでも、商品データや顧客データの移し替えといったまとまった入力作業が出てきます。この記事では、依頼先の違い、費用の目安、個人情報の渡し方、準備と検品、よくある失敗を制作の現場目線でまとめました。
データ入力の外注が必要になる場面

外注が向いているのは「量が多い」「形が決まっている」「時期が決まっている」作業です。判断が要る作業や毎日少しずつ出る作業は、社内で見直すほうが早いこともあります。
紙の名簿・アンケート・名刺・手書き伝票のデータ化
名刺や申込用紙、アンケート、手書きの納品書を、顧客管理やメール配信に使える形にしたいという相談がいちばん多い場面です。手書きは読み取りソフト(OCR)だけでは誤りが残るため人の目で確かめながら入力し、字のくせが強いほど単価は上がります。
サイトやネットショップのリニューアル時のデータ移行
ネットショップを別のサービスに移すときは、商品名・価格・説明文・画像のファイル名・在庫数などを、新しいサービスが読み込める列の並びに作り直します。古いシステムのCSVがそのまま使えることはまれで、列名の対応づけや全角・半角の統一が発生します。古いサイトの記事をWordPressへ移す作業も同じです。制作の現場では、商品が数百点を超えると社内では手が回らなくなるのが実情です。文章を直す判断は社内で行い、移す作業だけを外に出す分け方が現実的です。
依頼先は3つ|代行会社・クラウドソーシングの個人・社内のアルバイト
依頼先は大きく3つに分かれ、費用の決まり方と個人情報の扱いやすさがそれぞれ違います。
データ入力代行会社
入力を専門に受けている会社です。二重入力などの検品の仕組みを持ち、プライバシーマークなどの認証を取った会社を選べます。一方で費用は3つの中でいちばん高く、最低発注額を設けている会社が多いので少量の依頼は割高になります。
クラウドソーシングの個人
クラウドワークスやランサーズのような仲介サイトで、在宅の個人に頼む形です。費用を抑えやすく少量でも頼めますが、検品は依頼側で行い、秘密保持の取り決めと作業後のデータ削除の確認が欠かせません。名簿のような個人情報より、商品説明や記事の転記のように公開情報を扱う作業に向いています。
社内のアルバイト
原稿を社外に出さずに済み、判断が混じる作業にも向いています。費用は時給で決まり、厚生労働省の「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」では、大阪府の最低賃金は時間額1,231円(令和8年10月1日発効)、東京都は1,280円、全国加重平均は1,177円です。ただし採用や教育の手間を含めると、短期の大量入力では割高になることがあります。
| 比較項目 | データ入力代行会社 | クラウドソーシングの個人 |
|---|---|---|
| 費用の決まり方 | 1件・1文字単価+最低発注額 | 1件・1文字単価(少量でも可) |
| 検品 | 二重入力など会社側の仕組み | 依頼側で行う前提 |
| 個人情報の扱い | 認証取得の会社を選べる | 秘密保持と削除確認を自社で |
| 向いている作業 | 名簿・名刺・伝票など個人情報を含む大量入力 | 商品説明・記事の転記など公開情報の入力 |
依頼先の探し方|相見積もりと業者紹介サービス

代行会社に頼むなら、同じ条件で2〜3社の見積もりを取って比べるのが基本です。そろえる条件は、原稿の種類(手書きか印刷か)、件数と1件あたりの項目数、納品形式、納期、個人情報の有無、検品の希望(二重入力をするか)の6つです。同じ文面で各社に送り、原稿の見本を数枚つけると見積もりの精度が上がります。
業者紹介サービスを使う
何社も探す時間が取れないときは、条件に合う会社を紹介してくれるサービスがあります。たとえばEMEAO!(エミーオ)のデータ入力代行の相談窓口では、公式サイトの案内では、無料相談フォームかフリーダイヤルで相談すると、専門のコンシェルジュが電話で納期や予算、要望を聞き取り、独自の審査を通った業者の中から条件に合う会社を最大8社まで紹介し、そのあとは業者から直接連絡が来る流れです。利用は無料で、見積もりを比べて契約を見送ることもできると書かれています。運営は株式会社eclore(東京都新宿区、2008年設立)です。サービスの内容は変わることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
費用の目安|1件単価・1文字単価・時間単価
料金の決め方は「1件いくら」「1文字いくら」「1時間(1か月)いくら」の3つです。決め方が違うと総額が大きく変わるので、見積もりがどれかを最初に確かめます。
1件単価と1文字単価
名刺1枚、名簿1人のように枚数で数えるのが1件単価で、入力する項目の数で単価が変わります。冊子の文章のように項目に分かれていない原稿は1文字単価で、見積もりは「1ページ平均何文字×ページ数」の概算になり、納品後に実際の文字数で精算するのが一般的です。手書きやくせ字、図表があると単価が上がります。
時間単価(時給・月額)
原稿の形がそろっていない、判断を挟む、量が読めない作業で使われる決め方で、社内のアルバイトやオンラインのアシスタントサービスがこれにあたります。ココナラのビジネス向け記事(2025年1月31日公開)では、月40時間からのアシスタントサービスが月額8万円からと紹介されています。
公開されている相場
相場は媒体によって幅があります。EMEAO!の解説記事(最終更新2025年8月27日)と、ココナラのビジネス向け記事(2025年1月31日公開)の公開値は次のとおりです。いずれも税込か税抜かの記載がないため、見積もりで税の扱いを確かめてください。
| データの種類 | EMEAO!の解説記事 | ココナラの記事 |
|---|---|---|
| 文字入力(1文字) | 0.3〜0.5円 | 0.3〜0.9円(本・冊子) |
| 名刺(1枚) | 8項目で31〜35円 | 5項目16円・8項目25円・10項目32円 |
| 名簿(1人・1枚) | 4項目9〜15円・10項目25円 | 14〜29円(項目数で変動) |
| はがき(1枚) | 4項目10円・8項目14〜20円 | 2.3〜13円(項目数で変動) |
| アンケート | 一問一答0.5〜1円/問、複数回答1.5〜5円/問 | 1項目0.5〜1.5円 |
たとえば名刺1,000枚を8項目で入力すると、EMEAO!の目安では31,000〜35,000円、ココナラの目安では25,000円前後です。実際はここに最低発注額、手書きの読みにくさによる割増、特急料金が加わります。スキャンや原本の返送・廃棄も追加費用になりやすいので、見積書に含まれる範囲を書いてもらってから比べます。目安は変わることがあるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
個人情報を渡すときの注意|委託先の監督・秘密保持契約・認証

名簿や顧客データの入力を外に出すことは、個人情報保護法でいう「委託」にあたります。本人の同意は要りませんが、渡した先を監督する責任は依頼側に残ります。
委託なら同意は不要、ただし監督の3点が必要
個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」では、利用目的の達成に必要な範囲で個人データの取扱いを委託するときの提供先は「第三者に該当しない」とされています(法第27条第5項第1号)。事例として「データの打ち込み等、情報処理を委託するために個人データを提供する場合」が挙げられています。そのうえで委託先の監督(法第25条)として、適切な委託先の選定、委託契約の締結、委託先における取扱状況の把握の3点が示されています。小さな会社でも「必要な列だけ渡す」「契約書を交わす」「削除の報告をもらう」は実行できます。
秘密保持契約(NDA)と渡し方・削除
秘密保持契約は、渡した情報を目的以外に使わない、漏らさない、終わったら返す・消す、と約束する契約です。データ入力では、渡す範囲、作業場所と再委託の可否、返却・削除の期限、漏えい時の連絡を書いておきます。データはメール添付ではなく期限とパスワードを付けられる共有の仕組みで渡し、作業後に共有を止めます。
プライバシーマークとISMSの見方
プライバシーマーク(Pマーク)は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が付与機関を務める制度で、JIS Q 15001にもとづいて個人情報の保護体制を評価するものです。JIPDECの案内では有効期間は2年間で、2年ごとに更新します。ISMS認証は、JIS Q 27001(ISO/IEC 27001)を基準に、情報全般の安全管理の仕組みを第三者の認証機関が審査するものです。どちらも仕組みがあることの確認で、入力の正確さや納期を保証するものではないので、検品の方法や実績は別に確かめます。
依頼前に用意するもの|仕様書・サンプル・納品形式

仕上がりは、入力する人の腕より渡す前の指示で決まります。
入力ルールの仕様書とサンプル
仕様書は、列ごとに「何を」「どう書くか」を決めた1枚です。姓名を分けるか、数字は全角か半角か、ハイフンの有無、日付の書き方、空欄や読めない文字の扱いを決めます。郵便番号の先頭の0が消える、全角と半角が混ざる、価格に「円」や「,」が混ざる、の3つは制作の現場でとくに多い失敗で、一行ずつ書いておくだけで防げます。あわせて自社で5〜10件ほど入力した見本を渡すと、確認の質問が大きく減ります。
納品形式はCSVかExcelか
顧客管理やネットショップに取り込むならCSV(カンマ区切りの文字だけのファイル)で、文字コード(UTF-8かShift_JISか)を取り込み先に合わせます。社内で見て加工するならExcelが扱いやすく、迷ったら両方で納品してもらうのが安全です。取り込み先のテンプレートをそのまま仕様書にすると、変換が要りません。
検品の考え方|二重入力(ベリファイ)と受入れ確認
入力ミスをゼロにはできませんが、どの方法で精度を担保するかは頼む側が決められます。検品の方法は単価に直接かかわります。
二重入力(ベリファイ)とは
同じ原稿を2人が別々に入力し、結果を機械で突き合わせて、食い違った箇所だけを原稿で確かめる方法です。精度は上がりますが単価も上がります。名簿や請求にかかわるデータはあり、記事の転記はなし、のように原稿の重さで選びます。
納品後に自社で確かめる項目と取り込みテスト
件数、桁数、日付の形式、重複を先に見て、数十件を抜き取って原稿と照らし合わせます。取り込み先があるなら、本番の前に少量で取り込みを試し、文字化けや列ずれを確かめます。見つけた誤りは一覧にして返し、修正が無償か有償かは契約で決めておきます。
よくある失敗と対処法

失敗の原因は、入力そのものより頼む前の準備と受け取り後の扱いにあることがほとんどです。
仕様を決めずに頼み、Excelで0や日付が崩れた
「とりあえずExcelに」と頼むと入力した人なりのルールで仕上がり、直す手間は入力し直すのと変わりません。郵便番号「0600000」が「600000」に、日付が「46296」のような数字になるのはExcelの自動変換が原因なので、仕様書で該当の列を「文字列として入力」と指定しておきます。
個人情報を含む原稿を個人にそのまま渡した
契約も削除の確認もないまま名簿の原本を在宅の個人に送ると、委託先の監督が不十分と見なされるおそれがあります。秘密保持契約を交わし、必要な列だけに絞り、削除の報告をもらいます。それができないなら、個人情報を含む作業は代行会社か社内に限ります。
移行先に取り込めなかった・納期が守られなかった
移行先が求める列の並びや文字コードと合わず取り込みで止まる失敗は、取り込み用テンプレートを先に仕様書にし、少量でテストすれば防げます。納期については、遅れたときの対応を先に聞き、長い作業は途中で一部を納品してもらいます。
小さな会社の判断基準
判断の軸は「個人情報が含まれるか」「量が決まっているか」「判断が混じるか」の3つです。個人情報を含む大量の入力は、認証のある代行会社に仕様書とサンプルを添えて頼み、二重入力の有無を単価と一緒に決めます。公開情報が中心で少量なら、クラウドソーシングの個人に頼んで自社で検品すると費用を抑えられます。量が読めない作業は、社内で原稿を整えてから外に出すほうが結果的に安く済みます。
どの代行会社に声をかければよいか見当がつかないときは、EMEAO!でデータ入力代行の業者を探すと、条件を伝えて紹介を受けるところから始められます。紹介を受けたら、単価の単位・最低発注額・検品の方法・個人情報の扱いを並べて比べてください。サービスの内容は変わることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 名刺100枚くらいの少量でも頼めますか?
A. 頼めますが、代行会社は最低発注額を設けていることが多く、少量では割高になります。クラウドソーシングの個人や、名刺読み取りアプリで社内で済ませる方法も検討してください。
Q. 顧客名簿を外注するとき、本人の同意は必要ですか?
A. 利用目的の範囲内で入力作業を委託するだけなら、個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では提供先は第三者に該当しないとされ、同意は不要です。ただし委託先を監督する責任は依頼側に残ります。
Q. 1件単価と1文字単価はどちらが安いですか?
A. 原稿の種類で決まるもので、どちらが安いとは言えません。迷うときは同じ原稿を両方で見積もってもらい、総額で比べるのが確実です。
Q. プライバシーマークがある会社なら安心ですか?
A. 個人情報を扱う体制をJIPDECが評価した印なので、選ぶ判断材料になります。ただし入力の正確さや納期の保証ではないので、検品の方法や実績は別に確かめてください。
Q. サイトのリニューアルで商品データの移行を制作会社に頼めますか?
A. 移行まで受ける会社と、取り込み用テンプレートだけ渡して入力は依頼側で行う会社があります。見積もりの段階で、移行作業がどこまで含まれるか、外注する場合の仕様書を作ってもらえるかを確かめてください。
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