アプリ開発を外注するときの費用の目安と依頼先の選び方|公開費用・保守費も制作会社が解説

アプリ開発を外注するときの費用の目安と依頼先の選び方|公開費用・保守費も制作会社が解説

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アプリ開発の外注は、ホームページ制作と比べて費用の幅が大きく、公開後にも登録料や保守費が続きます。この記事では、3つの作り方の違い、公開されている費用相場、ストアの登録費用と保守費、依頼先と見積もりの見方を、制作会社の目線でまとめました。

目次

ホームページとアプリの違いを先に整理する

スマートフォンのホーム画面に並んだアプリのアイコンを指で操作している手元
Photo by Adrien on Unsplash

外注の前に「ホームページでは何ができないのか」をはっきりさせると、無駄な開発費を使わずに済みます。多くの相談は、ホームページの改修やLINE公式アカウントで解決します。

ホームページ(Web)でできること

ホームページは、ブラウザ(SafariやChrome)で開く仕組みです。問い合わせや予約のフォーム、商品の販売、会員向けページまで作れ、検索から見つけてもらえます。更新はすぐ全員に反映され、審査もありません。

アプリが必要な場面と、LINEで足りる場面

アプリが向いているのは、カメラやGPS、Bluetoothなど端末の機能を深く使う、電波のない場所でも動かす(現場の点検記録など)、毎日使うのでホーム画面から1回で開きたい、端末に通知を届けたい、の4つの場面です。一方で「通知を送りたい」「クーポンを配りたい」「予約を受けたい」だけなら、LINE公式アカウントで足りることが多く、開発費もかかりません。制作の現場でも、店舗アプリの相談を聞いていくと、LINEとホームページの組み合わせで十分だった例は少なくありません。

アプリの3つの作り方|Webアプリ・ネイティブアプリ・PWA

「アプリ」と呼ばれるものには作り方が3つあり、費用も公開の手間も違います。どれが自社に合うかを知っておくと、依頼先との話が早くなります。

Webアプリ|ブラウザで動く業務ツール

ブラウザで開いて使う仕組みで、技術的にはホームページの延長です。日報や在庫管理のような業務ツールに多く、PCでもスマホでも使え、審査もありません。弱点は、URLを開く手間と、端末の機能を細かく使う処理に制限があることです。

ネイティブアプリ|ストアから入れるアプリ

App StoreやGoogle Playから入れるアプリで、端末の機能をいちばん自由に使えます。一方で、iPhone向けとAndroid向けを別々に作ると開発費も保守費も2倍近くになります。両方を1つのプログラムで作る方法(クロスプラットフォーム開発)もあるので、見積もりの段階でどちらかを確かめます。ストアの審査があり、OSが毎年更新されるたびに動作確認と修正が要ります。

PWA|ホーム画面に追加できるWebサイト

PWA(プログレッシブ・ウェブ・アプリ)は、ホームページをスマホのホーム画面にアイコンとして追加できるようにしたもので、審査も登録料も要りません。iPhoneでは使える機能に差があり、ネイティブアプリほど端末の機能を使い切れないのが制限です。「毎日使う業務ツールをアイコンから開きたい」程度なら、PWAで足りることが多いです。

作り方向いている場面注意点
Webアプリ社内の業務ツール、PCとスマホ両方で使うものURLを開く手間、端末機能の制限
PWA毎日使うWebアプリをアイコンから開きたい、審査を避けたいiPhoneで使える機能に差がある
ネイティブアプリカメラ・GPS・Bluetoothを深く使う、電波のない場所、通知が中心開発費と保守費が高い、審査とOS更新対応が続く

費用の目安|公開されている相場の読み方

机の上でアプリの画面設計図と見積書を並べて検討している打ち合わせの手元
Photo by Avel Chuklanov on Unsplash

アプリ開発に定価はなく、費用は機能・人数・期間で決まります。ここでは企業間の発注を仲介するPRONIアイミツの公開値を並べます。相場の金額には税込・税抜の区別が明記されていないため、実際の見積もりは税込の総額で確かめてください。

平均・中央値と種類別の目安

PRONIアイミツは、2019年1月〜2025年11月の自社の取引データをもとに、アプリ開発費用は420万円前後が相場で、中央値は290万円、100万〜300万円の案件が29%で最も多いと公開しています(2026年6月更新)。平均は規模の大きな案件に引き上げられるため、小さな会社には中央値のほうが実感に近い数字です。種類ごとの目安は次のとおりです。

アプリの種類費用の目安(PRONIアイミツ公開値)
業務系50万〜800万円以上
店舗系(予約・クーポンなど)100万〜600万円以上
EC系300万〜1,000万円以上
マッチング系200万〜800万円以上
ゲーム500万〜2,000万円以上

ノーコード・パッケージ・フルスクラッチの違い

作り方によっても金額の桁が変わります。同じ公開値では、プログラムを書かずに部品を組み合わせて作るノーコードが3万〜10万円、できあがった型を使うパッケージが100万〜数千万円、ゼロから設計するフルスクラッチが500万〜数億円です。ノーコードは安い反面、ツールの月額料金が続き、ツールが提供を止めるとアプリも止まります。

金額が決まる仕組み|人件費×期間

見積もりの大枠は「人件費×開発期間」です。PRONIアイミツの公開値では、技術者1人の月額単価は初級で60万〜100万円、上級で100万〜160万円、個人事業主のプログラマーで40万〜60万円、開発期間は平均4〜6か月です。機能を1つ減らせば期間が縮み、金額も下がります。

公開に必要な登録費用と、公開後に続く費用

開発費とは別に、ストアの登録料と、サーバーや保守などの継続費がかかります。見積書に入っていないことが多い費用です。

Apple Developer Program(App Store)

iPhone向けのアプリをApp Storeで公開するには、Apple Developer Programへの登録が必要です。Appleの公式ページでは、登録料は年間99米ドルで、登録の手続き中に現地通貨で表示されます。会社として登録する場合は、9桁のD-U-N-S番号(ダン・アンド・ブラッドストリート社が発行する企業識別番号)と、会社のドメインで公開されているホームページが求められます。個人名義で会社のアプリを出すとあとで名義を変えにくいので、最初から会社名義で進めるのが基本です。

Google Play デベロッパー登録(Google Play)

Android向けはGoogle Play Consoleのデベロッパーアカウントが必要です。Googleの公式ヘルプでは、登録料は1回限りの25米ドルで、身分証明書とクレジットカードの提示が求められることがあります。2023年11月13日以降に作った個人アカウントは、公開前に12人以上のテスターが14日間連続で参加するクローズドテストが必要です。登録の名義は依頼先と最初に決めます。

保守・OS更新対応の継続費

iOSとAndroidは毎年大きな更新があり、そのたびに動作確認と修正が必要です。放っておくと起動しなくなることもあります。PRONIアイミツの公開値では、年間の運用・保守費は開発費の約15%が目安で、サーバー代は月額無料〜2万円程度です。開発費300万円なら年45万円前後が続く計算です。

項目金額(公式・公開値)支払いの形
Apple Developer Program99米ドル(現地通貨で請求)年1回
Google Play デベロッパー登録25米ドル1回限り
サーバー代月額無料〜2万円程度毎月
運用・保守費開発費の約15%毎年

登録料は為替で日本円の請求額が変わります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

依頼先の選び方と探し方

オフィスで開発会社の担当者と発注側がノートパソコンを見ながら打ち合わせをしている様子
Photo by Mario Gogh on Unsplash

依頼先は「アプリ開発会社」「フリーランス」「ノーコードで作る制作会社」に分かれます。金額の順ではなく、自社に要件を書ける人や公開後に面倒を見る人がいるかで決めます。

依頼先の違いと、実績・保守体制の見方

開発会社は要件の整理から保守まで一式で任せられますが、費用はいちばん高くなります。フリーランスは費用を抑えやすい反面、要件書を自社で用意する場面が多く、保守を1人に頼ることになります。ノーコードの制作会社は短期間で出せますが、あとから機能を足しにくいことがあります。どこに頼むにしても、近いアプリの公開実績があるか、そのアプリが今も更新されているか(ストアの「最終更新日」で分かります)、保守の内容と月額が明示されているかを見ます。

紹介サービスで候補を集める

1社ずつ問い合わせると時間がかかるので、候補集めには業者紹介サービスも使えます。たとえばEMEAO!(エミーオ)のアプリ開発会社の紹介ページでは、フォームか電話で問い合わせ、コンシェルジュに要望や条件を伝えると、条件に合う業者から連絡と提案が来る流れです。公式サイトでは、紹介する業者は最大8社までに制限され、利用は無料で、利用しても契約の必要はないとされています。アプリ開発のカテゴリには審査済みの業者が90社掲載されています(2026年10月時点)。運営は東京都新宿区の株式会社エクロールです。

業務システム寄りなら、システム開発会社も候補に入れる

「現場の報告をスマホで入力して、事務所のPCで集計したい」のような相談は業務システム全体の話で、システム開発会社が得意なことが多いです。同じEMEAO!にはシステム開発会社の紹介ページもあり、審査済みの業者が129社掲載されています(同時点)。どちらか迷うときは、コンシェルジュに両方の可能性を伝えて相談するのが近道です。

見積もりの見方|金額の前に範囲を見る

アプリの見積書は、金額の大小より「どこまで含まれているか」で比べます。同じ300万円でも、ストア申請や保守が入っているかで中身は別物です。

工程の内訳と、対応するOS・端末の範囲

要件定義(何を作るかを決める)、設計、画面デザイン、開発、テスト、ストア申請の工程ごとに金額が分かれているかを見ます。「開発一式」の1行だけでは、途中で機能を変えたときに追加費用の根拠が分かりません。あわせて、iPhoneとAndroidの両方か片方か、OSの何版以上に対応するか、タブレットも含むかを書いてもらいます。古いOSまで広げると確認する端末が増えて費用が上がるため、社内用なら支給する端末に絞ると抑えられます。

納品物・プログラムの権利・保守の範囲

納品物(プログラムの元データ、設計書)と、著作権がどちらに残るかを確かめます。元データを受け取れないと、将来ほかの会社に保守を頼めません。ストアのアカウントは自社名義で作り、依頼先には作業用の権限だけを渡す形が安全です。保守は、含まれるもの(OS更新への対応、不具合の修正)と含まれないもの(新機能の追加)を書面で分け、月額が見積書にない場合は金額を聞いてから比べます。

よくある失敗と対処法

スマートフォンを手に持ち、画面のエラー表示を見て困っている人の手元
Photo by Jae Park on Unsplash

アプリ外注の失敗は、プログラムの技術より、頼む前の準備と公開後の見通しで起きています。

要件が決まらず、見積もりが膨らみ続ける

機能を足すうちに、金額も期間も最初の倍になる失敗です。最初の版は「これがないと使えない」機能だけに絞り、使う人の仕事の流れを紙に書いて、どの画面で何を入力するかを決めてから見積もりを取ります。

ストアの審査で落ちる

Appleの審査ガイドラインでは、Webサイトを単に再パッケージしただけで利便性も独自性もないアプリはApp Storeで提供できないとされています。ほかにも、プライバシーポリシーへのリンク、ログインが要るアプリでは審査用のデモアカウントが必要で、クラッシュする状態で出すと却下されます。

作ったのに使われない・公開後に止まる

お客様向けのアプリは、入れてもらうまでが大変です。「毎日使う理由」が説明できないなら、LINE公式アカウントや会員ページのほうが使われます。また、開発費だけで予算を組み、登録料・サーバー・保守の年間費用を見ていないと、OSの更新に追いつけず起動しないアプリがストアに残ります。年間で開発費の15%前後が続く前提で計算しておきます。

小さな会社の判断基準

まずホームページの改修やLINE公式アカウントで足りないかを考え、足りない理由が「端末の機能」「電波のない場所」「毎日使う入り口」に当てはまるときだけアプリに進みます。最初はWebアプリかPWAで使われるかを見て、必要になってからネイティブアプリに移すと、無駄な開発費を抑えられます。予算は開発費だけでなく、登録料・サーバー・保守を含めた3年分で見ます。

作る方向が固まり、依頼先の候補を集めたい段階では、EMEAO!でアプリ開発会社を紹介してもらう方法があります。コンシェルジュには「作りたいもの」「予算の上限」「保守まで頼みたいか」を伝え、紹介された会社とは見積もりの範囲をそろえて比べてください。サービスの内容は変わることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 小さな店舗のアプリはいくらくらいかかりますか?

A. PRONIアイミツの公開値では、店舗系アプリは100万〜600万円以上が目安で、ほかに登録料・サーバー代・保守費が続きます。通知やクーポンだけなら、LINE公式アカウントで足りることが多いです。

Q. iPhoneとAndroidの両方に出すと費用は2倍ですか?

A. 別々に作ると2倍近くになり、両方を1つのプログラムで作る方法なら2倍までは行きません。iPhoneだけ先に出し、あとでAndroidを足す進め方もあります。

Q. ホームページをそのままアプリにできますか?

A. 技術的には可能ですが、Appleの審査ガイドラインでは、Webサイトを再パッケージしただけで独自の機能がないアプリは提供できないとされています。ホーム画面から開けるようにしたいだけなら、審査の要らないPWAでできます。

Q. 保守は頼まなくても大丈夫ですか?

A. ストアに出すアプリは、毎年のOS更新で動かなくなることがあるため、保守なしでは長く使えません。社内だけで使うWebアプリなら、サーバーの維持だけで済む場合もあります。

Q. 開発期間はどのくらいですか?

A. PRONIアイミツの公開値では平均4〜6か月です。要件を決める期間と、ストアの審査にかかる日数は別に見ておきます。

THREE D PLUS は大阪の Web 制作会社です。ホームページ制作から公開後の運用・改善、LINE公式アカウントやWebアプリとの連携まで、「アプリが本当に必要か」の段階からご相談いただけます。お問い合わせはこちら。

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