ホームページを多言語化するときの翻訳の頼み方|翻訳会社・個人・AI翻訳の違いと費用の目安を制作会社が解説

ホームページを多言語化するときの翻訳の頼み方|翻訳会社・個人・AI翻訳の違いと費用の目安を制作会社が解説

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ホームページを多言語化するときの翻訳は、「どのページを、どの言語に、どの品質で訳すか」を決めてから依頼先を選ぶと、費用も手間もぶれません。翻訳の依頼先には、翻訳会社、個人の翻訳者、個人のサービスを選んで買えるサイト、AI翻訳の4つがあり、向いているページが違います。この記事では、それぞれの違い、公開されている料金の目安、依頼の手順、公開時にサイト側で必要な設定、よくある失敗を、制作会社の立場でまとめました。

目次

多言語化で翻訳するページを決める

複数の言語のメニューが貼られた店先を見る外国人観光客
Photo by Seungmin Yoon on Unsplash

サイト全体をいっせいに訳す必要はありません。海外の人が最初に見るページから順に、段階的に広げるのが現実的です。

最初に訳すのは「来てもらう・問い合わせる」ためのページ

店舗や宿なら、営業時間・場所・料金・予約方法のページ、会社なら事業内容・製品・問い合わせのページが最初です。ブログや採用情報は後回しでよく、訳さないページは日本語のまま残して構いません。問い合わせフォームの項目名や自動返信メールの文面も、忘れやすい翻訳対象です。

言語は「実際に来ている人」で選ぶ

英語だけで始める会社が多いですが、アクセス解析(GA4など、サイトに誰がどこから来たかを見る仕組み)で国別の訪問者を見ると、中国語や韓国語の需要が英語より多い地域もあります。制作の現場では、まず英語を1本きちんと作り、2言語目は解析の数字と実際の来店・問い合わせを見て決めることを提案しています。

訳す文字数を数えておく

翻訳の見積もりは、原文の文字数(日本語から訳す場合)や単語数(英語から訳す場合)で出るのが一般的です。対象ページの本文をコピーして文字数を数えておくと、依頼先ごとの見積もりを同じ条件で比べられます。見出し、ボタンの文言、画像の中の文字、メタディスクリプション(検索結果に出る説明文)も数に入れます。

翻訳の依頼先は4つ|翻訳会社・個人・スキルマーケット・AI翻訳

依頼先によって、品質の確かめ方、費用、手間、責任の持ち方が違います。1つに決める必要はなく、ページの重さで使い分けるのが現実的です。

翻訳会社

翻訳者が訳したあと、別の人が内容を確かめる(チェック)工程を組み込んでいる会社が多く、専門分野(医療・法律・機械など)ごとに担当者を割り当てます。用語集や文体の指定にも対応でき、継続して頼むときに表記が安定します。費用はいちばん高くなりますが、会社の顔になるページや、間違えると困る料金・規約・安全に関する文面はここに頼むのが基本です。

フリーランスの翻訳者

個人に直接頼む形です。翻訳会社より費用を抑えられ、同じ人が続けて担当するので文体がそろいます。一方で、チェックの工程は本人任せになるため、別の人に読んでもらう「ネイティブチェック」(その言語を母語とする人が自然さを確かめる作業)を自社で手配することがあります。得意分野と、自社の業種の文章を訳した経験を確かめて選びます。

スキルマーケット(個人のサービスを選んで買うサイト)

ココナラのように、個人が出品している翻訳サービスを価格と実績で選んで購入する形です。短い文章やメニュー表のように量が少ない依頼に向き、支払いはサイトが預かって納品後に出品者へ渡るため、個人へ直接前払いする不安が小さくなります。ココナラ公式のお知らせでは、購入者に購入金額の5.5%(税込)のサービス手数料がかかると案内されています。出品者ごとに品質の差が大きいので、実績件数と評価、得意分野の記載を読んでから相談します。

AI翻訳(機械翻訳)

Google翻訳やDeepLなどで訳す方法です。費用はほぼかからず、量の多いブログ記事やお知らせを訳すのに向いています。ただし、固有名詞や業界の言い回し、文化的に失礼になる表現は見落とされることがあり、人の確認なしに料金や規約のページへ使うのは避けたいところです。サイト全体を自動で訳すプラグインもあり、当サイトでもGTranslateの設定方法を紹介しています。

項目翻訳会社フリーランススキルマーケットAI翻訳
品質の確認チェック工程が組み込み本人任せ(別途チェックを手配)出品者による自社で確認が必要
費用の水準高い中低〜中ほぼ無料
専門分野の対応分野別の担当者得意分野を確認出品内容を確認専門用語は要確認
継続時の表記の安定用語集で管理同じ人なら安定出品者が変わるとぶれる設定次第
向いているページ料金・規約・会社案内サービス紹介・継続案件メニュー・短い案内文ブログ・お知らせの下訳

翻訳の費用の目安

英語と日本語の資料を並べて見比べながらパソコンで作業する翻訳者
Photo by Vadim Bozhko on Unsplash

翻訳の料金は、原文1文字(日本語)または1単語(英語)あたりの単価に文字数をかけて計算します。単価は分野と品質で変わり、同じ会社でもチェックの回数で違います。

日本翻訳連盟が公開している目安

翻訳会社などが加盟する日本翻訳連盟(JTF)は、企業が翻訳会社に初めて依頼するときの参考として、分野別の料金の目安を公開しています。2026年10月時点の掲載では、日本語から英語に訳す場合は和文1文字あたり、コンピューターマニュアル20円、一般科学・工業技術21円、金融25円、経営管理・財務・契約書25円、医学・医療・薬学30円、特許明細書30円(いずれも税別)です。英語から日本語は英文1単語あたり26〜35円の幅で示されています。同じページには、専門性・難易度・量・納期・品質の水準で大きく変わる、一般的な実例の平均値である、と注記されています。

分野日本語→英語(和文1文字あたり・税別)英語→日本語(英文1単語あたり・税別)
コンピューターマニュアル20円28円
一般科学・工業技術21円28円
金融25円30円
経営管理・財務・契約書25円30円
医学・医療・薬学30円35円
特許明細書30円26円

出典は日本翻訳連盟「翻訳料金の目安」です。ホームページの一般的な会社案内やサービス紹介はこの表の分野に直接は当たりませんが、依頼先から届く見積もりの単価が妥当かを見る物差しになります。目安は改定されることがあるため、最新の数字は同連盟のサイトでご確認ください。

文字数の計算例

会社案内・サービス紹介・問い合わせの3ページで日本語が合計3,000文字なら、1文字20円の単価で60,000円(税別)、25円なら75,000円(税別)という計算です。ここにネイティブチェックや、翻訳した文章をサイトに載せる作業(制作会社の作業)が別にかかることがあります。

金額が変わる要素

単価が上がるのは、専門用語が多い、納期が短い、画像の中の文字やレイアウトの調整まで含む、複数の言語を同時に頼む、といった場合です。逆に、原文を短く整理する、固有名詞と訳語の一覧を先に渡す、納期に余裕を持つと、費用も仕上がりも安定します。

翻訳会社の探し方

翻訳会社は数が多く、得意分野もさまざまです。自社で一社ずつ探す方法と、条件を伝えて候補を紹介してもらう方法があります。

自社で探すときに見る点

公式サイトで、自社の業種に近い実績があるか、訳したあとのチェック工程が明記されているか、ホームページの翻訳(ボタンや見出しのような短い文を含む)を扱っているかを見ます。見積もりの単位(1文字か1単語か、税込か税別か)と、最低料金の有無もこの段階で確かめます。

条件を伝えて候補を紹介してもらう

候補を一社ずつ探す時間がない場合は、要望を聞いて業者を紹介してくれるサービスを使う方法があります。たとえばEMEAO!(エミーオ)は、専任の担当者(コンシェルジュ)が要望を聞き取り、翻訳会社を含む専門業者を紹介する形のサービスです。公式サイトでは、発注側の利用は無料で契約時にも請求はない、紹介する業者は最大8社までに制限している、問い合わせは電話またはメールで、担当者との打ち合わせのあと業者から連絡が来る、と案内されています。複数の翻訳会社から同じ条件で見積もりを集めたいときに向いています。契約はそれぞれの翻訳会社と直接結ぶので、見積もりの単位と範囲は自社で確かめてください。

トライアル(試し訳)を頼む

候補が2〜3社に絞れたら、同じ300〜500文字の原文を渡して試し訳を頼みます。無料で受ける会社と有料の会社があります。仕上がりは、その言語を使う取引先や知人に読んでもらい、「自然か」「社名や商品名が正しいか」を見てもらうと判断しやすくなります。

依頼から公開までの手順

ノートパソコンでホームページの英語版を確認している会社員
Photo by Julian Hochgesang on Unsplash

翻訳そのものより、前後の準備と公開作業に時間がかかります。制作会社と翻訳会社の両方に頼む場合は、誰が何をするかを最初に分けておきます。

ステップ1|原文を整える

日本語のページを、訳す前に見直します。主語のない文、二重の意味に取れる文、社内だけで通じる言い回しは、訳す側が迷い、確認のやりとりが増えます。古い情報もこの段階で直します。訳したあとに原文を変えると、翻訳のやり直しになります。

ステップ2|固有名詞と訳語の一覧を作る

社名・商品名・サービス名・役職名・住所の英語表記を一覧にして渡します。すでに名刺や登記で使っている表記があればそれに合わせます。「お問い合わせ」「ご予約」のようなボタンの文言も、ページごとにぶれないように一覧に入れます。

ステップ3|原文をテキストで渡す

ページのURLだけを渡すと、訳す範囲があいまいになり、画像の中の文字やフォームの項目が漏れます。ページごとに見出し・本文・ボタン・画像内の文字・メタディスクリプションを表計算ソフトに書き出し、訳文を隣の列に入れてもらう形にすると、サイトへ載せる作業も楽になります。

ステップ4|訳文を確認する

届いた訳文は、固有名詞の表記、数字(料金・時間・電話番号)、ボタンの文言の統一を自社で確かめます。文章の自然さは、その言語を使う人に読んでもらうか、翻訳会社のチェック工程に任せます。質問が来たら早めに返すと、納期が守られます。

ステップ5|サイトに載せ、言語ごとの設定をする

訳文を載せるときは、言語ごとにページのURLを分ける(/en/ のようにフォルダを分ける、または言語別のドメイン)のが基本です。あわせて、各ページがどの言語のページで、他の言語版はどこにあるかを検索エンジンに伝える設定(hreflangという目印)を入れます。WordPressなら多言語化のプラグインで管理できます。制作の現場では、翻訳の納品と同時にこの設定を入れ、公開後にGoogleの検索結果で言語版が正しく出るかを確かめています。

ステップ6|問い合わせへの対応を決める

英語のページを公開すると、英語で問い合わせが来ます。返信は誰がするか、AI翻訳で下書きしてよいか、電話は受けられるか、を先に決めます。対応できないなら、フォームに「返信は日本語または英語のメールのみ」のように書いておくと、お互いの手間が減ります。

よくある失敗と対処法

外国人の客に店員がタブレットの画面を見せながら説明している様子
Photo by Cova Software on Unsplash

多言語化の失敗は、翻訳の質そのものより、準備と公開の進め方で起きることが多いです。

ページごとに社名や商品名の表記がばらばら

訳語の一覧を渡さずに頼んだとき、依頼先を途中で変えたときに起きます。ステップ2の一覧を作り、継続して頼むときも毎回渡します。

AI翻訳のまま公開して意味が変わっていた

料金・キャンセル条件・安全に関する注意書きで起きると、トラブルにつながります。変わると困る文面は人の確認を通し、AI翻訳はブログやお知らせの下訳に使い分けます。自動翻訳プラグインを使う場合も、重要なページだけ人の訳に差し替えられる設定にします。

英語版を公開したのに検索で出てこない

言語ごとのURLが分かれていない、言語版の関係を伝える設定が入っていない、英語版のページがどこからもリンクされていない、のどれかであることが多いです。サイトの構造に関わるので、制作会社に確認を頼みます。

日本語を更新したのに英語版が古いまま

更新の運用を決めていないと必ず起きます。「日本語の料金や営業時間を変えたら、同じ日に英語版も直す」という手順を決め、短い変更は社内で、まとまった変更は翻訳の依頼先に頼む、と分けておきます。

画像の中の文字が日本語のまま

バナーや地図、料金表を画像で作っているときに起きます。訳す範囲に画像内の文字を含め、画像の作り直しは制作会社の作業として見積もりに入れます。

小さな会社・店舗の判断基準

まず英語で、来てもらう・問い合わせてもらうための3〜5ページだけを人の翻訳で作り、それ以外は日本語のままか自動翻訳に任せる、という始め方が負担と効果のバランスがよいです。料金・規約・安全に関わる文面は翻訳会社かチェック付きの依頼先に、短い案内文やメニューはスキルマーケットやフリーランスに、ブログはAI翻訳の下訳に、と分けると費用を抑えられます。

翻訳会社を一社ずつ探す時間がない方は、EMEAO!で条件を伝えて翻訳会社の候補を紹介してもらう方法もあります。紹介のあとは各社と直接やりとりになるので、見積もりの単位(1文字か1単語か・税込か税別か)と、ホームページの短い文言まで含むかを最初に確かめてください。サービスの内容は変わることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. ホームページの翻訳費用はどのくらいかかりますか?

A. 原文の文字数と単価で決まります。日本翻訳連盟が公開する目安では、日本語から英語は和文1文字あたり20〜30円(税別・分野による)です。会社案内など3ページで3,000文字なら6万〜9万円(税別)前後が計算上の目安で、ネイティブチェックやサイトへの掲載作業は別にかかることがあります。

Q. AI翻訳だけで多言語化しても問題ありませんか?

A. ブログやお知らせのような、間違いがあっても大きな問題にならないページなら使えます。料金・キャンセル条件・安全に関する注意書き・会社案内は、人の確認を入れることをおすすめします。

Q. ネイティブチェックは必要ですか?

A. 翻訳会社に頼む場合はチェック工程が含まれているかを確かめ、含まれていれば別に手配する必要はありません。フリーランスやスキルマーケットに頼む場合は、会社の顔になるページだけでも、その言語を母語とする人に読んでもらうと安心です。

Q. 英語の次はどの言語を増やすべきですか?

A. アクセス解析の国別の訪問者と、実際に来店・問い合わせしている人の言語で決めます。地域によっては中国語(簡体字・繁体字)や韓国語の需要が英語より多いことがあります。

Q. 翻訳した文章をサイトに載せる作業は誰がやりますか?

A. 翻訳会社は訳文を納品するまでが仕事で、サイトへの掲載や言語ごとの設定は制作会社または自社の作業になるのが一般的です。頼む前に、どこまでを誰がやるかを分けておきます。

Q. 翻訳会社を紹介してもらうサービスは有料ですか?

A. EMEAO!は、公式サイトで発注側の利用は無料と案内されています。翻訳の費用は、紹介された翻訳会社と直接契約して支払います。

THREE D PLUS は大阪の Web 制作会社です。ホームページ制作から多言語化の設計、公開後の運用・改善までまとめてご相談いただけます。お問い合わせはこちら。

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