WordPressテーマ「THE THOR(ザ・トール)」を購入したら、最初にやるべきはメンバーズサイトへの会員登録申請です。承認に1〜3営業日かかるうえ、ここで発行される更新用ユーザーIDを登録しないとテーマのバージョンアップを受けられません。注意したいのは、多くの解説記事が案内しているID発行フォームが現在は使えなくなっている点です。この記事では、公式マニュアルで確認した現行の手順と、設定作業でつまずきやすい箇所を整理します。
最初にやること|メンバーズサイトの会員登録申請

デザインを触りたくなる気持ちを抑えて、まずここから始めてください。承認待ちの時間があるためです。
承認に1〜3営業日かかります
メンバーズサイトの会員登録申請ページから申請すると、1〜3営業日以内に承認のメールが届きます。この承認が下りないと更新用ユーザーIDを確認できないため、他の作業より先に申請だけ済ませておくのが効率的です。
購入時のメールアドレスでないと承認されません
申請フォームで入力するのは、テーマ購入時のメールアドレス、社名・屋号(任意)、名前とフリガナ、メンバーズサイト用のパスワード(8文字以上)です。
ここで入力するメールアドレスは、決済のときに使い、決済完了メールを受け取ったアドレスである必要があります。普段使いのアドレスと購入時のアドレスが違う場合は、購入時のメールを探してから申請してください。
解説記事にある「ID発行フォーム」は現在使えません
ここが最大の注意点です。ネット上の解説記事の多くは、公式サイトのID・アカウント発行フォームから申請すると1〜2日でIDがメールで届く、という手順を案内しています。しかしこのフォームのURLは、2026年9月9日時点でエラーページへ転送されるようになっており、公式サイトやマニュアルからのリンクも見当たりません。
フォームが稼働していた当時、公式自身が「メールでのご送付は現在行っておりません」「メンバーズサイト内に表示されているID・パスワードをご自身で確認していただく方法に変更となっております」と案内していました。つまり、メールでIDが届くのを待っている状態なら、いつまで経っても届きません。
なお、2020年9月3日より前に購入した場合の手順は旧フォームへの案内のままになっており、現在の正式な導線が公式に見当たりません。該当する場合は、公式サイトの問い合わせフォームから確認するのが確実です。
更新用ユーザーIDの取得と登録
会員登録が承認されたら、IDを取得してWordPressに登録します。
更新用ユーザーIDとは何か
購入者ごとに発行される固有のIDです。これをWordPressの管理画面に入力しておくと、テーマの無料バージョンアップを受けられるようになります。公式マニュアルには「Fit-Theme-ThorId******FTHsW」のような形式で例が示されています。
メンバーズサイトにログインして確認します
承認メールが届いたら、メンバーズサイトにログインしてIDを確認します。メールで送られてくるのを待つのではなく、自分で見に行く方式です。
WordPress側の入力場所
外観 → カスタマイズ → 基本設定 → ユーザーID設定 の順に進み、フォームにIDを貼り付けて「公開」を押します。カスタマイザーの中にあるため、プラグインの設定画面を探しても見つかりません。
登録しないとバージョンアップを受けられません
公式マニュアルには「更新用ユーザーIDの登録が未完了の場合、テーマのバージョンアップが受けられません」と明記されています。
これは見た目に影響しないため、気づかないまま何年も運用してしまうことがあります。実際にTHE THORは2025年7月にPHP8系のバグ修正、2026年5月にAPI更新と読み込みエラーの修正が配布されています。こうした修正が一切降ってこない状態は、セキュリティの観点でも避けたいところです。
複数サイトで使う場合もIDは1つです
サイトごとにIDを取得する必要はありません。発行されるIDは購入者ごとに1つで、複数サイトで同じIDを使って問題ないと公式が明記しています。
会員フォーラムは二層構造になっています
フォーラムの入り方でつまずく人が多いのですが、仕組みを知れば単純です。閲覧するためのパスワードと、書き込むためのアカウントが別物になっています。
閲覧用パスワードはダッシュボードに表示されます
テーマを有効化すると、WordPress管理画面のダッシュボードに会員フォーラムへのリンクと閲覧用パスワードが表示されます。画面を下にスクロールすると見つかります。フォーラムはサイト全体がパスワードで保護されているため、まずこのパスワードでゲートを通過します。
投稿用アカウントは別に必要です
公式マニュアルには、ダッシュボードに表示されるものについて「投稿用PWではありませんのでご注意ください」と書かれています。質問を書き込むには、別途フォーラム投稿用のアカウントでログインする必要があります。
解説記事のなかには「ログインしてからログアウトし、再度ログインすると認証が完了する」という手順を紹介しているものがありますが、これは公式の手順ではありません。閲覧用パスワードから投稿用アカウントへ切り替える操作を、経験則で表現したものと考えられます。
フォーラムは会員同士の場という位置づけです
利用規約では、会員フォーラムは無料サービスであり、会員同士で質疑応答して問題を解決することを目的に設置運営されている、と定義されています。メールサポートの範囲はテーマのインストール完了までとされているため、それ以降はマニュアルとフォーラムが主な窓口になります。
テーマのインストール手順

順序を間違えるとエラーになります。
先に親テーマ、次に子テーマ
外観 → テーマ → 新規追加 → テーマのアップロード から、親テーマ(the-thor.zip)を先にインストールし、続けて子テーマ(the-thor-child.zip)を入れます。子テーマを先に入れるとエラーが出ますが、そのまま親テーマを入れればエラーは解消します。
有効化するのは子テーマです
両方をインストールしたら、有効化するのは子テーマのほうです。親テーマを有効化した状態でカスタマイズすると、バージョンアップのときに変更が消えます。公式マニュアルにも、テーマファイルのカスタマイズは子テーマで行うよう記載があります。
THE THORはバージョンアップの間隔が長めなので、影響が出るのが数か月から1年後になることがあります。「今までは大丈夫だった」が通用しない類のミスです。
ZIPは解凍せずにアップロードします
ダウンロードしたファイルは、親テーマと子テーマのZIPがまとめて入った状態になっています。外側のファイルは解凍しますが、中にある the-thor.zip と the-thor-child.zip はZIPのままアップロードしてください。
解凍したフォルダをアップロードすると「style.cssスタイルシートが見つかりません」というエラーになります。公式のQ&Aでも、このエラーの原因として解凍済みファイルのアップロードが挙げられています。
インストール前にプラグインを止めておく
公式マニュアルは、事前にバックアップを取り、使用中のプラグインをいったんすべて停止することを推奨しています。既存サイトのテーマを入れ替える場合は、この手順を省かないでください。
初期設定はこの順番で進める

公式マニュアルの初期設定カテゴリと、設定同士の依存関係を踏まえた推奨順です。
| 順番 | やること | 場所 |
|---|---|---|
| 1 | メンバーズサイトの会員登録申請 | 公式サイト |
| 2 | 更新用ユーザーIDの登録 | 外観→カスタマイズ→基本設定→ユーザーID設定 |
| 3 | パーマリンクの設定 | 設定→パーマリンク |
| 4 | サイトタイトルとキャッチフレーズ | 設定→一般 |
| 5 | デザイン着せ替え | 外観→カスタマイズ→エクスポート/インポート |
| 6 | SSL化の確認とPWA設定 | 外観→カスタマイズ→PWA設定 |
| 7 | アクセス解析の設定 | 外観→カスタマイズ→基本設定 |
| 8 | プロフィール・フッター表示 | ユーザー→プロフィール ほか |
| 9 | 高速化の設定 | 外観→カスタマイズ→SEO設定 |
パーマリンクは記事を書く前に確定させる
公式マニュアルの推奨は「投稿名」です。記事を公開した後で変更するとURLが変わり、被リンクや共有済みのリンクが切れます。最初に決めてしまってください。
キャッチフレーズはトップページのタイトルに使われます
公式マニュアルに、キャッチフレーズがトップページのタイトルタグに表示されると記載されています。適当な言葉を入れたままにせず、検索結果に出る前提で決めてください。別のタイトルを設定したい場合は、外観 → カスタマイズ → SEO設定 → TOPページSEO設定 から上書きできます。
PWAはSSL化が前提です
SSL化されていないサイトではPWA機能を有効化できません。順序としてSSL化を先に済ませてください。
アクセス解析はテーマ内蔵です
Google AnalyticsとSearch Consoleの設定項目がカスタマイザーに用意されています。プラグインを入れる必要はありません。
デザイン着せ替えの落とし穴
公式デモのデザインを丸ごと適用できる便利な機能ですが、注意点が3つあります。
プラグインの導入が前提です
着せ替えには「Customizer Export/Import」というプラグインが必要です。これを入れずに探しても、着せ替えのメニュー自体が出てきません。
画像のチェックを外すと表示されません
インポート時に「画像ファイルをダウンロードしてインポートしますか?」というチェックボックスが出ます。ここにチェックを入れないと画像が表示されない不具合が起きると公式が警告しています。必ずチェックを入れてください。
リセットすると更新用ユーザーIDも消えます
これがもっとも見落とされる点です。着せ替えをやり直すためにカスタマイザーをデフォルトに戻すと、サイトタイトルやディスクリプションだけでなく、更新用ユーザーIDまで未入力の状態に戻ります。公式マニュアルにも「必ず再入力してください」と明記されています。
せっかく登録したIDが消えて、バージョンアップを受けられない状態に自分で戻してしまう、というのが典型的な失敗です。リセットしたら必ずIDを入れ直してください。
運用開始後の実行は避ける
着せ替えはカスタマイザーの設定を総取り替えします。記事が0本の段階なら手間を大幅に省けますが、運用が始まってからの実行は積み上げた設定を失うリスクがあります。デザインを大きく変えたくなった場合は、影響範囲を確認したうえで実施してください。
入れないほうがいいプラグイン
THE THORは機能が内蔵されているぶん、他のテーマで定番のプラグインが競合します。公式が「相性の悪いプラグイン」として案内している内容です。
SEO系プラグインは二重出力になります
タイトルタグ、メタディスクリプション、meta robots、構造化データ、パンくずはテーマ側が出力します。ここにSEOプラグインを重ねると、内容の違うタグが二重に出る状態になります。公式もSEO系プラグイン全般をバッティングの対象として挙げています。
他のテーマから乗り換えた場合、以前のSEOプラグインが有効なまま残っていることがあります。移行時は必ず確認してください。
キャッシュ系プラグインはPWAと干渉します
テーマにキャッシュ機能があるため導入は不要で、PWA機能と干渉する可能性があると公式が明記しています。速度改善のつもりで入れたプラグインが原因で、かえって遅くなったり表示が崩れたりすることがあります。
テーマ内蔵で足りる機能
目次、お問い合わせフォーム、サイトマップの自動生成、SNSシェアボタン、関連記事、画像の遅延読み込み、Gzip圧縮とブラウザキャッシュ。これらはテーマに含まれています。プラグインを追加する前に、設定項目がないか探してみてください。
高速化とAMPは慎重に判断する
用意されている機能を全部オンにすればよい、というものではありません。
CSS非同期読み込みは表示が一瞬崩れます
公式マニュアルは、CSS非同期読み込みを有効にすると読み込み速度が向上する代わりに、一瞬デザインが崩れて見えることがあると明記しています。有効化したら、パソコンとスマートフォンの両方で初回表示を目視確認してください。
AMPは必要かどうかを考えてから
THE THORはAMP対応を機能として備えていますが、公式の解説記事の更新は2019年で止まっています。Googleは2021年のページエクスペリエンスアップデート以降、トップニュース掲載の条件からAMPを外し、検索結果のAMPバッジも廃止しました。
機能があるから有効化する、ではなく、自社サイトにいま必要かを考えて判断してください。
制作会社・フリーランスは別のライセンスが必要です

クライアントのサイトを作る立場の方は、ここを必ず確認してください。
自分のサイトなら何個作っても大丈夫です
公式には「作成可能数に上限はありません。1度テーマをご購入いただければ何サイトでも作成可能です」と記載されています。自己所有のサイトであれば追加費用はかかりません。
クライアント案件には開発者ライセンスが必要です
有償で制作を請け負う場合は、開発者ライセンス(33,000円税込・ライセンス発行から3年間、2026年9月9日時点)が別途必要です。利用規約には、未契約のまま制作代行した場合の違約金として30万円が明記されています。
さらに、クライアントへの納品ごとにテーマのプラン1契約分を申し込む必要があること、通常販売価格の3倍を下回る価格で請け負えないことも条件として定められています。「自分が買ったテーマだから、そのままお客様のサイトにも使える」という認識は危険です。
制作の現場では、テーマのライセンス条件は見積り前に確認する項目のひとつです。あとから発覚すると、金額の組み直しが必要になります。
2026年時点での位置づけ
これから購入を検討している方、すでに使っている方の双方に関わる話です。
クラシックエディタを前提としたテーマです
公式のQ&Aは、記事編集画面にテーマ独自のスタイルが表示されない原因をブロックエディタと説明し、Classic Editorプラグインの導入を案内しています。THE THORの機能をフルに使うには、クラシックエディタで書く前提になります。
Classic Editorプラグインは現在も公式に配布されており、最新のWordPressで動作確認もされています。すぐ使えなくなる話ではありませんが、標準のエディタとは違う環境で書くことになる点は理解しておいてください。
販売元は新シリーズを展開しています
販売元のフィット株式会社は、ブロックエディタに対応した新シリーズ「ゴールドテーマ」を展開しています。公式サイト上でも、THE THORはクラシックエディタ対応、ゴールドテーマはブロックエディタ対応と書き分けられています。
これから新規に購入するなら、どちらが自分の書き方に合うかを比較してから決めるのが現実的です。
THE THORの更新は続いています
新シリーズが出たからといって、THE THORが放置されているわけではありません。2025年7月にPHP8系のバグ修正、2026年5月にバージョン2.5.3が配布されています。すでに使っているサイトを慌てて乗り換える必要はありません。
テーマそのものの評価や、他テーマとの比較は THE THOR(ザ・トール)とは?特徴と口コミ評価、SEO最適化WordPressテーマを制作会社が解説 にまとめています。
よくある質問(FAQ)
更新用ユーザーIDが届きません
現在はメールで送付されません。メンバーズサイトへの会員登録を申請し、承認後に自分でログインして確認する方式に変わっています。届くのを待っている状態なら、まず会員登録の申請から進めてください。
設定が反映されず「何かうまくいかなかったようです」と表示されます
レンタルサーバーのWAF(Webアプリケーションファイアウォール)が原因のことがあります。サーバーの管理画面で一時的に解除して試してください。設定後は元に戻すのを忘れないようにしてください。
着せ替えの途中でタイムアウトします
実行時間の上限に達したときに起こります。サーバー側でPHPの実行時間の上限を引き上げると解決します。公式マニュアルにも対処方法の項目が用意されています。
買う前にマニュアルを読めますか?
読めます。公式マニュアルのサイトは購入前でも閲覧できるので、設定項目の多さや操作感を事前に確認できます。購入を迷っている段階で目を通しておくと判断しやすくなります。
テーマファイルを紛失したら再ダウンロードできますか?
ダウンロード期限を過ぎると再ダウンロードはできず、再発行は有償になると案内されています。金額は公開されていないため、必要になった場合は問い合わせが必要です。購入直後にファイルを安全な場所へ保管しておいてください。
サポートはどこまで対応してもらえますか?
利用規約では、メールサポートの範囲はテーマのインストール完了までとされています。それ以降はマニュアルと会員フォーラムが窓口になります。フォーラムは会員同士で解決することを目的とした場である点も踏まえて活用してください。
まとめ|IDの登録だけは今日中に
THE THORを購入したら、まずメンバーズサイトの会員登録を申請してください。承認に1〜3営業日かかるうえ、ここで得られる更新用ユーザーIDを登録しないとバージョンアップを受けられません。IDがメールで届くのを待っていても届かない、という点だけは押さえておいてください。
そのうえで、パーマリンクを先に決め、着せ替えを使うなら記事を書き始める前に済ませる。この順番を守るだけで、後戻りの作業がほとんどなくなります。着せ替えをやり直したときはIDの再入力を忘れないでください。
当社ではWordPressサイトの制作と運用サポートを行っています。テーマ選びの段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。