Webサイトで游ゴシックをおすすめしない理由|代替フォントも解説

Webサイトのフォントに游ゴシックを指定するのは、実はおすすめできません。游ゴシックは多くのWindows・Macに入っている美しい書体ですが、「デバイスフォント(端末に入っているフォントをそのまま使う指定)」としてWebで使うと、Windowsでのかすれ・スマートフォン非対応・Safariでの表示不良といった問題が起こりやすいためです。この記事では、Web制作会社の視点から游ゴシックをおすすめしない4つの理由と、安心して使える代替フォントをわかりやすく解説します。

そもそも游ゴシックはWebサイトで人気のフォント

black white and red textile
Photo by Brett Jordan on Unsplash

結論から言うと、游ゴシックはデザイン性が高く、実際に多くのサイトで採用されています。2023年のあるアンケートでは、Windows向けCSSでの游ゴシック採用率は約43.9%と、メイリオ(約41.4%)を上回る人気でした。細く上品な字形で、コーポレートサイトやブランドサイトと相性が良いことが理由です。しかし「端末にインストールされているフォントをそのまま呼び出す」使い方には、次章から解説する複数の落とし穴があります。

游ゴシックをおすすめしない4つの理由

1. Windowsで文字がかすれて見える

游ゴシックはWindowsのフォントレンダリングと相性が悪く、文字が薄く「かすれて」見えることがあります。原因は、ガンマ補正(明るさの補正処理)が二重・三重にかかり、本来より色が明るくなりすぎてしまう点にあります。対策としてCSSでfont-weight: 500;を指定して文字を少し太らせる方法がありますが、根本的な解決にはなりません。

2. スマートフォンには入っていない

iPhone(iOS)やAndroidスマートフォンには、游ゴシックがそもそもインストールされていません。CSSで指定しても端末側に無いため、まったく別のフォントで表示されてしまいます。今やアクセスの過半数がスマホという時代に、モバイルで意図どおり表示されないのは大きなデメリットです。

3. Macでも「標準搭載」ではない

「Macには游ゴシックが標準で入っている」という認識は、実は正確ではありません。macOS Sierra(2016年9月)以降、游ゴシックは「追加ダウンロード対象のフォント」という扱いになっています。そのため、ユーザーがダウンロードしていない環境では表示されないことがあります。

4. ブラウザのセキュリティ強化で読み込めなくなる

Safari・Firefox・Braveなどのブラウザは、「ブラウザフィンガープリント(利用者を特定する追跡技術)」対策として、システムフォント以外のローカルフォントの利用を制限する方向に進んでいます。游ゴシックはダウンロードフォルダに保存されるため、これらのブラウザでは読み込めなくなる可能性があります。実際にFirefoxの公式サイトにも「コンピューターにインストールされているフォントがウェブページで使用できないように制限します」と明記されています。

実機で検証するとどうなる?

watercolor wireframe sketches of website layouts
Photo by Hal Gatewood on Unsplash

結論として、環境によって表示が大きくバラつきます。実機での検証結果を整理すると次のとおりです。特にiPhoneではChrome・Safari・Firefoxのいずれも代替フォントに置き換わり、macOSのSafariでも游ゴシックが表示されないケースが確認されています。

端末ChromeSafariFirefox
macOS表示される代替フォント表示される
Windows表示される表示される
iPhone代替フォント代替フォント代替フォント

おすすめの代替フォント(Webフォント)

游ゴシックの表示ブレを避けるなら、「Webフォント(サーバーから配信して全端末で同じ表示にする仕組み)」の利用がおすすめです。デバイスに依存しないため、Windows・Mac・スマホのどれでも意図どおりに表示できます。代表的な選択肢は次のとおりです。

  • Noto Sans JP:Googleが提供する無料の日本語フォント。使う文字だけに絞る「サブセット化」で軽量化でき、実務でも定番です。
  • Adobe Fonts:月額契約で豊富な日本語書体が使えます。※Webフォント化する場合はクライアント自身のアカウント契約が必須(他人のアカウント利用は規約違反)。
  • REALTYPE:月額1,000円ほどで契約できる日本語Webフォントサービスです。

よくある質問(FAQ)

Q. 游ゴシックは絶対に使ってはいけないのですか?
いいえ、使ってはいけないわけではありません。ただしデバイスフォントとして単独指定すると表示が崩れやすいため、Webフォントを主体にしつつ游ゴシックはあくまで補助的な指定にとどめるのが安全です。

Q. かすれ対策のfont-weight: 500だけで十分ですか?
Windowsのかすれは軽減できますが、スマホ非対応やSafariの問題は解決しません。根本的にはWebフォントへの切り替えをおすすめします。

Q. Webフォントは表示が重くなりませんか?
Noto Sans JPなどはサブセット化で必要な文字だけに絞れば、表示速度への影響を最小限に抑えられます。

まとめ

游ゴシックは美しい書体ですが、Windowsでのかすれ・スマホ非対応・Macでの非標準化・ブラウザの制限強化により、Webサイトのデバイスフォントとしては不向きです。全端末で同じ表示を実現したいなら、Noto Sans JPをはじめとするWebフォントの採用を検討しましょう。THREE D PLUSでは、こうしたフォント選定を含めた表示崩れの起きないWebサイト制作をサポートしています。フォントや表示のお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

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