PHPのバージョンとは?初心者向けに更新の必要性と確認方法をやさしく解説

「サイトのPHPバージョンが古いので更新してください」と言われても、何のことか分からず戸惑う方は多いはずです。PHPとは、WordPressなどのサイトを動かしている土台のプログラムのこと。車でいえばエンジンにあたります。古いままだとセキュリティ上の危険があるため、定期的な更新が必要です。ただし、細かい数字まで自分で選べるわけではありません。この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、PHPバージョンの考え方と確認方法、更新の進め方を解説します。

PHPとは何か|サイトを動かしている「エンジン」

a close up of a network with wires connected to it
Photo by Albert Stoynov on Unsplash

PHPは、Webサイトを動かすためのプログラム言語です。WordPressで作られたサイトは、このPHPの上で動いています。訪問者がページを開くと、PHPが記事のデータを取り出してページを組み立てる、という仕組みです。

大切なのは、PHPが定期的に新しくなるという点です。スマホのOSが更新されるのと同じで、PHPにも新しいバージョンが出続けています。そして古いバージョンは、いずれサポートが終了します。

なぜバージョンを気にする必要があるのか

理由はセキュリティです。PHPには、サポートが終了する期限(EOL=End Of Life)が決められています。サポートが終わったバージョンは、新たに弱点が見つかっても修正されません。つまり、穴が開いたまま放置される状態になります。

PHP公式のサポート期間は、次のような仕組みになっています。

  • 最初の2年間:不具合もセキュリティ問題も、どちらも修正される期間
  • 次の2年間:重大なセキュリティ問題だけが修正される期間
  • 合計で約4年:これを過ぎるとサポート終了(EOL)

サポートが切れたバージョンを使い続けると、サイトの改ざんや情報流出のリスクが高まります。また、新しいWordPressやプラグインが動かなくなることもあります。

今サポートされているPHPバージョン

2026年7月時点で、PHP公式にサポートされているのは次の4系統です。

バージョン状態期限
PHP 8.5通常のサポート中2027年12月31日
PHP 8.4通常のサポート中2026年12月31日
PHP 8.3セキュリティ対応のみ2027年12月31日
PHP 8.2セキュリティ対応のみ2026年12月31日
PHP 8.1以前サポート終了

ここで注意したいのが PHP 8.2 です。2026年12月31日でサポートが終了します。もし現在8.2をお使いなら、年内に対応を検討する時期に入っています。PHP 8.1以前をお使いの場合は、すでにサポートが終わっているため、早めの対応をおすすめします。

【重要】最新のパッチ番号を自分で指定することはできない

person using MacBook Pro
Photo by Glenn Carstens-Peters on Unsplash

初心者の方がもっとも混乱しやすいのが、末尾の数字です。結論から言うと、サーバー会社が用意したものの中からしか選べません。PHP公式で最新版が出ていても、すぐには選べないのが普通です。

まず、PHPのバージョンは「8.3.30」のように3つの数字で表されます。それぞれ意味が違います。

  • 8(メジャー):大きな世代
  • 3(マイナー):世代の中の系統。ここまでを「8.3系」と呼びます
  • 30(パッチ):細かな修正版。不具合修正のたびに増えていきます

エックスサーバーのサーバーパネルにある「PHP Ver.切替」を開くと、選択肢はこのように表示されます。パッチ番号まで具体的に並んでいます。

  • PHP8.5.5
  • PHP8.4.20
  • PHP8.3.30(推奨)
  • PHP8.2.30(非推奨)
  • PHP8.1.34(非推奨)
  • PHP8.0.30(非推奨)
  • PHP7.4.33(非推奨)以下、古いバージョンが続く

ここで大切なのは、選べるのはこの一覧に載っているものだけという点です。例えばPHP公式で 8.3.32 が公開されていても、一覧に 8.3.30 しかなければ 8.3.32 を選ぶことはできません。パッチ版をいつ用意するかは、サーバー会社が決めているためです。

つまり「最新のパッチが当たっていない」と指摘を受けても、それは設定漏れではありません。利用者にできるのは、サーバー会社に適用予定を問い合わせることまでです。

そこで見るべきポイントは、次の2つになります。

  • 「推奨」と表示されているか:エックスサーバーは推奨・非推奨を明記しています。推奨のものを選んでおけば、まず問題ありません
  • 使っている系統がサポート期間内か:8.3.30 か 8.3.32 かではなく、「8.3系はサポート中か」で判断します

自分のサイトのPHPバージョンを確認する方法

確認方法は2つあります。どちらも数分で終わります。

方法1:WordPressの管理画面から見る

  1. WordPress管理画面にログインする
  2. 左メニューの「ツール」→「サイトヘルス」を開く
  3. 上部の「情報」タブをクリックする
  4. 「サーバー」の項目を開くと、PHPバージョンが表示される

方法2:エックスサーバーの管理画面から見る

  1. サーバーパネルにログインする
  2. 「PHP Ver.切替」をクリックする
  3. 対象のドメインを選ぶと、現在のバージョンが表示される

この画面が、バージョンを変更するときの操作場所にもなります。

バージョンを上げるときの進め方と注意点

PHPの切り替え自体は、管理画面から数クリックで終わります。ただし切り替えた瞬間にサイトが真っ白になることもあるため、いきなり本番サイトで行うのは危険です。

トラブルの主な原因は次のとおりです。

  • テーマやプラグインが未対応:とくに更新が止まっている古いプラグインは要注意です
  • 独自に作り込んだ部分:お問い合わせフォームなど、制作会社が個別に組んだ機能が動かなくなることがあります
  • 古い書き方のコード:新しいPHPでは使えなくなった書き方が残っている場合があります

そこで、次の順番で進めるのが安全です。

  1. バックアップを取る:何かあってもすぐ戻せる状態にしておきます
  2. テスト環境で試す:本番のコピーを別に用意し、そこで先に切り替えます
  3. 動作を確認する:トップページだけでなく、問い合わせフォーム、管理画面、決済まわりも見ます
  4. 問題があれば原因を調べる:どのプラグインが原因かを切り分けます
  5. 問題がなければ本番を切り替える:アクセスの少ない時間帯を選びます
  6. 本番でもう一度確認する:同じ箇所を再度チェックします

なお、何世代も飛ばして一気に上げると、原因の特定が難しくなります。古いバージョンから上げる場合は、段階的に進めるほうが安全です。

よくある質問(FAQ)

Q. PHPのバージョンを上げないと、どうなりますか?
A. すぐにサイトが止まるわけではありません。ただしサポートが終わると弱点が修正されなくなるため、改ざんや情報流出のリスクが高まります。新しいプラグインが動かなくなることもあります。

Q. 「8.3.32が最新なのに、うちは8.3.30」と言われました。設定ミスですか?
A. ミスではありません。選べるのはサーバー会社が用意した一覧の中だけで、一覧に8.3.32が無ければ選択できません。パッチ版をいつ提供するかはサーバー会社が決めています。「推奨」表示のものを使い、系統(8.3系)がサポート期間内であれば問題ありません。

Q. どのバージョンを選べばよいですか?
A. 迷ったら「推奨」と表示されているものを選ぶのが基本です。より新しい系統に上げることもできますが、お使いのテーマやプラグインが対応しているかの確認が前提になります。迷う場合は、制作会社に確認するのが確実です。

Q. 自分で切り替えても大丈夫ですか?
A. 個人ブログなど、止まっても影響が小さいサイトであれば、バックアップを取ったうえで試せます。問い合わせや売上が発生している事業サイトの場合は、テスト環境での確認を挟むことをおすすめします。

Q. 切り替えたらサイトが表示されなくなりました。
A. まず元のバージョンに戻してください。表示が回復すれば、原因はテーマかプラグインの非対応です。落ち着いて1つずつ切り分けていきましょう。

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