AI Overview(Googleの「AIによる概要」)に自社サイトが表示・引用されているかは、無料の3つの方法で確認できます。検索結果を目で見て記録する手動確認、Search Consoleの「生成AI機能」レポート、GA4での流入確認です。ただし、どれか1つで全体が分かるわけではなく、それぞれ「見える範囲」が違います。この記事では、制作会社として自社サイトの確認に使っている考え方をもとに、何を測るのか、どのツールで何が分かるのか、月1回の運用にどう落とし込むのかを整理します。
AI Overviewの計測とは|測るのは「表示・引用・言及・流入」の4つです
AI Overviewの計測で見るのは、表示・引用・言及・流入の4項目です。検索順位だけを見ていても、AIによる概要の中で自社がどう扱われているかは分かりません。まず「何を数えるのか」を分けておくと、ツール選びで迷わなくなります。
表示|対策キーワードでAIによる概要が出るか
最初に確認するのは、狙っているキーワードで検索したときに、AIによる概要そのものが出るかどうかです。出ないキーワードは、AI Overview向けの対策をしても効果が見えません。表示される割合は、キーワードの種類(調べものか、比較か、地名つきの探し物か)で大きく変わります。
引用|参照元リンクに自社ページが入るか
AIによる概要が出たとき、回答の横や下に参照元のリンクが並びます。そこに自社のページが入っていれば「引用された」状態です。引用はクリックされる入口になるため、4項目の中でもっとも成果に近い指標です。
言及|回答の本文に自社名が書かれるか
引用リンクに入るのとは別に、要約の本文の中に自社名やサービス名が書かれることがあります。比較・おすすめ系のキーワードでは、複数の候補が並ぶなかで何番目に出てくるかも見ておきます。リンクだけ引用されて名前は出ない、という状態もあり得るため、引用と言及は分けて記録します。
流入|AIによる概要から何人来たか
最後が流入です。ただし、AIによる概要からのクリックは、GA4では通常のGoogle検索と同じ扱いになり、単独では取り出せません。ここは直接測れない指標として、別の方法で推定します(後の章で説明します)。
| 指標 | 見るもの | 無料で確認できるか |
|---|---|---|
| 表示 | AIによる概要が出るか | できる(手動確認・Search Console) |
| 引用 | 参照元リンクに自社ページが入るか | できる(手動確認) |
| 言及 | 本文に自社名が出るか・何番目か | できる(手動確認) |
| 流入 | AIによる概要経由の訪問数 | 直接は不可(推定のみ) |
順位計測だけでは足りない理由
順位計測だけでは足りないのは、AIによる概要が出る検索では、順位とクリックの関係が従来と変わるためです。順位は引き続き大切な指標ですが、それだけで「見られているか」「選ばれているか」は判断できなくなっています。
1位でも、AIによる概要の下に押し下げられます
AIによる概要は検索結果の最上部に表示されます。通常の検索結果は、その下に押し下げられます。同じ1位でも、画面を開いて最初に目に入るのはAIによる概要になるため、順位とクリック数が以前のようには連動しません。
引用されるページは、順位の高いページとは限りません
AIによる概要が参照するページは、検索順位が上位のページと一致するとは限りません。順位が低くても、質問への答えが短く明確に書かれているページが引用されることがあります。そのため、順位とは別に「引用されたかどうか」を見る必要があります。AIに引用されやすいページの条件は、AI検索に引用される条件|F.A.C.T.S.とE-E-A-Tを一次データで検証で解説しています。
何も計測しないと、変化に気づけません
AIによる概要の表示は、キーワードごと・時期ごとに入れ替わります。先月は出なかったキーワードに、今月から出ていることもあります。月に1回でも記録を残しておかないと、「いつから変わったのか」を後から追えません。

手段1|手動確認(無料)
いちばん手軽で、いちばん確実なのは、自分で検索して記録する方法です。ツールが拾えない「引用」「言及」「並び順」まで見られるのは、手動確認だけです。
確認するキーワードを20本ほど選びます
まず、狙っているキーワードのうち、AIが複数の選択肢を挙げそうなものを選びます。「〇〇 おすすめ」「〇〇 比較」「〇〇 費用」「〇〇 とは」のような検索です。地名つきの探し物(「大阪 ホームページ制作」など)も入れます。20本あれば傾向が分かります。数百本を一度にやる必要はありません。
検索の条件をそろえます
結果は、検索する人や環境で変わります。毎回の条件をそろえないと、変化が「施策の効果」なのか「条件の違い」なのか分からなくなります。
- ログアウト状態(またはシークレットウィンドウ)で検索する
- 地域と言語の設定を固定する
- 同じ曜日・同じ時間帯に検索する
- 同じブラウザ・同じ端末で検索する
スプレッドシートに記録する項目
記録は、1キーワードにつき1行で十分です。次の列を用意しておくと、後から集計できます。
| 列 | 入れる内容 |
|---|---|
| キーワード | 検索したキーワード |
| 検索日 | YYYY/MM/DD |
| AIによる概要 | 出た/出ない |
| 引用 | 自社ページが参照元に入った/入らない(入ったURL) |
| 言及 | 本文に自社名が出た/出ない・何番目か |
| メモ | 競合で引用されていたサイト、気づいたこと |
頻度は週1回を目安にします
週1回、同じ20本を確認するのが無理のない運用です。慣れれば30分もかかりません。時間が取れないときは、月1回でも構いません。大切なのは、条件をそろえて続けることです。

手段2|Search Consoleの「生成AI機能」レポート
Search Consoleには、AIによる概要とAIモードでの表示状況を確認できる「生成AI機能」のレポートが加わりました。Googleは2026年6月3日にこのレポートを発表しています。無料で、すでにSearch Consoleを使っていれば追加の設定は要りません。
見られるのは表示回数・ページ・国・デバイス・日付です
このレポートで分かるのは、検索内の生成AI機能(AIによる概要・AIモード)で、自社サイトのURLが何回表示されたかです。ページ別、国別、デバイス別、日付別に切り分けられます。以前はこのデータが通常のパフォーマンスレポートに混ざっていて、AI経由の表示だけを取り出せませんでした。
見られないのはクリック数とクエリです
一方で、このレポートにはクリック数と検索クエリが含まれていません。「どのキーワードで表示されたのか」「何人がクリックしたのか」は、ここからは分かりません。また、データは2026年5月18日以降のものに限られ、それより前には遡れません。ChatGPTなど、Google以外のAIでの引用状況も対象外です。
| 項目 | 生成AI機能レポート |
|---|---|
| 表示回数 | 見られる |
| ページ別・国別・デバイス別・日付別 | 見られる |
| クリック数 | 見られない |
| 検索クエリ | 見られない |
| ChatGPT・Perplexityなど他のAI | 対象外 |
表示回数が急に増えたページを手動確認の対象にします
クエリが分からないため、レポートだけでは「どの検索で出たのか」を特定できません。使い方としておすすめなのは、表示回数が急に増えたページを見つけ、そのページに関係するキーワードを手動で検索して確かめる流れです。Search Consoleで「どのページに動きがあったか」を見つけ、手動確認で「何が起きているか」を確かめる、という役割分担になります。
レポートが見当たらないときは
このレポートは順次提供されています。Search Consoleの「パフォーマンス」の中に見当たらない場合は、まだ自分のプロパティで提供されていない可能性があります。その場合は、手動確認を先に進めて構いません。提供状況は、Search Consoleのヘルプや公式発表で確認してください。
手段3|順位計測ツールで定点観測する
キーワードが数百本になると、手動確認は現実的ではありません。その規模になったら、AIによる概要の表示と引用を自動で取得できる順位計測ツールの利用を検討します。
ツールで任せられること
AhrefsやSemrushなどの順位計測ツールには、キーワードごとにAIによる概要の表示や自社の引用を定期的に取得する機能があります。対応している機能や取得頻度は各社で違い、変わることもあるため、導入前に最新の情報を確認してください。
ツールを選ぶときに確認する3点
- AIによる概要の「表示」と、自社の「引用」を別々に取得できるか
- 取得頻度(週次か月次か)と、見られるキーワード数の上限
- 回答の本文を保存できるか(言及を後から見直せるか)
割合を出すときは分母をそろえます
ツールで割合を出すときは、分母を間違えないことが大切です。「表示率」は、計測しているキーワード全体のうち、AIによる概要が出た割合です。「引用率」は、AIによる概要が出たキーワードのうち、自社が引用された割合です。分母が違うものを並べて比べると、数字の意味が崩れます。
まずは手動確認で始めて、キーワードが増えて手が回らなくなってから、ツールに移るのが無理のない順番です。
GA4でAIによる概要の流入は測れるのか
GA4では、AIによる概要からの流入を単独では測れません。ただし、ChatGPTやGeminiのように参照元が分かるAIからの流入は、GA4で確認できます。
参照元が分かるAIは、GA4で見られます
ChatGPTなどのAIサービスからのクリックは、参照元のドメインがGA4に記録されます。集客レポートで参照元別に見れば、AIサービスごとの訪問数を確認できます。設定方法は、GA4でAIからの流入を計測する方法|ChatGPT・Gemini経由を可視化するで手順を説明しています。
AIによる概要からのクリックは、通常の検索に含まれます
Googleの検索結果から来た訪問は、AIによる概要経由であっても、GA4では通常の「google / organic」に入ります。そのため、GA4だけでは「AIによる概要から何人来たか」を切り分けられません。
推定する方法
代わりに、Search Consoleの生成AI機能レポートの表示回数と、ページ別のオーガニック流入の推移を並べて見ます。AIによる概要への表示が増えたページで、オーガニックのクリックが減っているのか、変わらないのか、増えているのかを確かめます。正確な数字は出ませんが、傾向をつかむには十分です。

月次で見るKPIと、続けるための型
計測は続けて初めて意味が出ます。週次と月次で、見る指標を分けておくと続けやすくなります。
週次で見る指標
- AIによる概要の表示率(確認したキーワードのうち、出た割合)
- AIによる概要が出たキーワードのうち、自社が引用された割合
月次で見る指標
- 引用率と言及率(先月との差)
- 比較・おすすめ系のキーワードでの並び順(何番目に言及されたか)
- Search Consoleの生成AI機能レポートで、表示回数が動いたページ
- GA4のAI経由のセッション数とコンバージョン
現状ごとに打ち手を分けます
記録がたまったら、キーワードごとに今の状態を5つに分けて、打ち手を変えます。
| 今の状態 | 次の打ち手 |
|---|---|
| AIによる概要が出ない | 優先度を下げる。通常のSEO対策を続ける |
| 出るが、引用されていない | 結論を冒頭に置く、質問に直接答える見出しを足す |
| 引用はされるが、名前が出ない | 社名・サービス名・実績の一次情報を本文に明記する |
| 言及されるが、順番が後ろ | 比較される観点(費用・期間・実績)を具体的な数字で示す |
| 上位で推奨されている | 情報の鮮度を保つ。更新日と数字を定期的に見直す |
自社サイトがAIに引用されやすい状態かどうかを手早く確かめたいときは、当社が無料公開しているAI検索対応度チェッカーが使えます。URLを入れるだけで、構造化データや更新日、著者情報などを採点します。
よくある質問(FAQ)
AI Overviewに表示されているかを、無料で確認する方法はありますか?
あります。ログアウト状態で対策キーワードを検索し、AIによる概要が出るか、参照元に自社ページが入るかを目で確認します。Search Consoleの「生成AI機能」レポートでも、表示回数を無料で確認できます。
Search Consoleでは何が分かりますか?
AIによる概要とAIモードでの、ページ別・国別・デバイス別・日付別の表示回数が分かります。クリック数と検索クエリは分かりません。
AIモードでの表示も同じように確認できますか?
Search Consoleの生成AI機能レポートには、AIモードでの表示も含まれます。ただし、AIモードは質問の流れによって結果が変わりやすく、手動確認で同じ結果を再現するのは難しい場合があります。表示回数の傾向を中心に見るのが現実的です。
GA4でAI Overviewの流入は見えますか?
単独では見えません。AIによる概要からのクリックは、通常のGoogle検索と同じ「google / organic」に入ります。ChatGPTなど参照元が分かるAIは、GA4の参照元別レポートで確認できます。
どのくらいの頻度で計測すればよいですか?
手動確認は週1回、同じ20本が目安です。時間が取れなければ月1回でも構いません。大切なのは、検索の条件をそろえて続けることです。
キーワードが少ないサイトでも計測する意味はありますか?
あります。キーワードが5本でも10本でも、AIによる概要の出方と引用の有無を記録しておけば、変化に気づけます。数が少ないほど、手動確認だけで十分に回せます。
計測結果をもとに、何から改善すればよいですか?
「出るが引用されない」キーワードから始めるのがおすすめです。質問に対する答えを冒頭に置き、数字や条件を具体的に書き、更新日を明記します。それだけでも、引用されやすさは変わります。
まとめ|まず無料で「出ているか」を確かめましょう
AI Overviewの計測は、順位計測の延長ではなく、「表示・引用・言及・流入」の4つを別々に見る作業です。最初の一歩は、次の3つです。
- 対策キーワード20本を、条件をそろえて手動で検索し、スプレッドシートに記録する
- Search Consoleで、生成AI機能レポートの表示回数を確認する
- 月に1回、表示率と引用率を並べて、先月との差を見る
記録には、当社が無料で公開しているAI Overview計測シートが使えます。キーワードごとに表示・引用・言及を選ぶだけで、日付ごとの表示率・引用率・言及率と前回との差が出ます。記録はお使いのブラウザの中にだけ保存され、CSVでも書き出せます。
AIによる概要への対策や、サイト全体の見直し、計測の仕組みづくりについては、THREE D PLUSでもご相談を受けています。お気軽にお問い合わせください。