ドメインの更新忘れ・失効を防ぐ管理方法|台帳づくりと1社にまとめる移管手順

ドメインの更新忘れ・失効を防ぐ管理方法|台帳づくりと1社にまとめる移管手順

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ドメインの更新忘れを防ぐ管理方法とは、「どのドメインを・どの事業者で・誰の名義とメールで・いつまで契約しているか」を1枚の台帳にまとめ、支払いと連絡先を会社の共有のものにしておくことです。この記事では、失効するとどうなるかから、台帳の作り方、1社にまとめる移管の手順までを順にまとめました。取得サービスの比較は独自ドメイン取得サービスおすすめ比較にあるので、ここでは「いま持っているドメインをどう管理するか」に絞ります。

目次

ドメインが失効するとどうなるか

パソコンの画面にサイトが表示されず困っている会社員
Photo by Sebastian Herrmann on Unsplash

有効期限を過ぎるとサイトとメールが止まり、一定の回復期間を過ぎると登録が消えて、誰でも同じ文字列を取得できるようになります。日数は .jp と .com で違います。

.jp の流れ(JPRS の決まり)

.jp を管理する JPRS(日本レジストリサービス)の「JP ドメイン名のライフサイクル」では、有効期限は登録した日の1年後の月末で、廃止されなければ1年ずつ自動更新されます。ただ実際には、契約している指定事業者(ドメインを申し込んだ会社)に更新料が払われないと、事業者側で廃止の手続きが進みます。廃止になると、汎用 JP(example.jp)は翌月の1か月間、属性型 JP(example.co.jp など)は6か月間、停止の状態になり、どちらもその最初の月の1日から20日までが「登録回復期間」です。回復には手数料がかかるのが通常で、受付の条件も事業者ごとに違います。

.com などの流れ(ICANN の決まり)

.com などは、ドメインの世界的なルールを作る ICANN(アイキャン)の「期限切れ登録の回復に関する方針」が土台です。登録事業者は期限の約1か月前と約1週間前に通知を送り、期限切れから5日以内に更新されなければもう一度通知します。削除までの間、少なくとも最後の8日間は DNS(ドメインとサーバーをつなぐ設定)を止めるか、期限切れと分かるページに向ける決まりで、ここでサイトが見えなくなります。削除後は30日間の「回復期間(Redemption Grace Period)」があり、元の登録者だけが回復料を払って戻せます。

段階.jp(汎用).com など
期限登録日の1年後の月末登録日から1年ごと
期限切れ直後事業者の入金猶予(事業者ごとに違う)事業者の更新猶予(事業者ごとに違う)。削除前の少なくとも8日間はサイトが止まる
元の登録者だけが戻せる期間停止した月の1〜20日削除後30日(回復料がかかる)
その後登録が消え、誰でも登録できる削除され、誰でも登録できる

メールも止まり、第三者に取られることもある

同じドメインのメールアドレスも全部止まり、問い合わせフォームの通知や取引先からの見積もりが届かなくなります。制作の現場でも「サイトが見えない」と調べたら期限切れで、メールも止まっていた、という相談はよくあります。さらに回復期間を過ぎると、削除された瞬間を狙って第三者が取得する「ドロップキャッチ」が起きえます。JPRS の「ドメイン名の廃止に関する注意」では、詐欺や誹謗中傷のサイトに使われるおそれがあり、商標権の侵害などに当たらない限り使用を差し止められないと案内されています。

更新忘れが起きる典型パターン

書類の山と付箋だらけのデスクで引き継ぎ資料を探す人
Photo by Wonderlane on Unsplash

更新忘れは「うっかり」より、情報の置き場所の問題で起きます。よくある原因は次の3つです。

担当者の退職と、古い登録メール

取得した人が異動や退職でいなくなり、更新の通知が前任者のメールや個人のフリーメールに届き続けるケースです。旧社名のドメインが先に失効し、連鎖で通知が届かなくなった例もあります。

カードの期限切れで自動更新が止まる

自動更新にしていても、登録したカードの期限切れや再発行で決済が通らないことがあります。決済失敗の通知も、登録メールが古ければ届きません。

制作会社の名義のまま、事業者もバラバラ

制作会社のアカウントと名義のまま運用され、契約が終わると連絡を受ける人がいなくなるケースです。会社サイトは A 社、ブランドサイトは B 社、特設ページは広告代理店が C 社で取得、という状態だと、期限もログインも支払いも別々で、どこか1つは抜けやすくなります。

ドメイン台帳の作り方

対策の中心は、持っているドメインを全部1枚に並べた「ドメイン台帳」です。共有の表計算シートで足ります。項目が多いと更新されなくなるので、次の範囲に絞り、1行に1ドメインを書きます。

項目書くこと例
ドメイン名文字列と用途example.co.jp/会社サイト・メール
契約先事業者と管理画面の URL○○ドメイン(ID は社内のパスワード管理ツールに)
有効期限年月日と自動更新の有無2027/03/31/自動更新オン
支払い方法カードか請求書か、カードの期限法人カード(期限 2028/06)
名義と登録メール登録者と、通知が届くアドレス株式会社○○/domain@(共有)
DNS の場所ネームサーバーの管理先レンタルサーバー側
担当と処遇主担当・副担当、継続か手放すか総務○○・情シス○○/継続

置き場所と年1回の棚卸し

台帳は個人のパソコンではなく部署共有のクラウドに置き、パスワードは書かずに「どこにあるか」だけを書きます。ルールは「ドメインを取ったらまず1行足す」「事業者や支払いを変えたらその日に直す」の2つです。年1回、管理画面に入れるか、登録メールが生きているか、カードの期限、用途がまだあるかを確かめ、台帳にないドメインが代理店などにないかも聞きます。

自動更新・支払い・通知の見直し

クレジットカードと請求書を手にパソコンで支払い設定を確認する経理担当
Photo by CardMapr.nl on Unsplash

台帳ができたら、すべてのドメインで自動更新をオンにします。そのうえで、決済が止まっても気づける形にしておきます。

支払いは法人カードか請求書払いに

個人のカードで立て替えていると、その人が辞めた時点で止まります。法人カードにするか、事業者が対応していれば請求書払いにして、経理の支払いサイクルに乗せます。カードを切り替えたら、台帳を見て全事業者の登録カードを同じ日に差し替えます。

通知を2人以上で受ける

事業者からの通知は次の章の共有アドレスで受け、あわせて台帳の期限の60日前と30日前に、社内カレンダーで主担当と副担当へ通知が出るようにします。事業者と社内の二重にしておけば、片方が届かなくても気づけます。

登録メールと名義を自社のものにする

連絡先と持ち主が個人や制作会社のままだと、台帳を整えても通知が届かず、権利もはっきりしません。

登録メールを共有アドレスにする

登録メールは domain@ のような共有アドレスにし、Google Workspace や Microsoft 365 のグループで担当者・副担当・上長に届くようにします。注意点は、そのドメイン自身のアドレスで登録しないことです。止まったときに通知も止まるので、ほかのドメインは基幹ドメインの共有アドレスで登録します。

名義(登録者)を自社にする

Whois(ドメインの登録情報を公開する仕組み)の登録者が、個人名や制作会社になっていないかを確かめ、自社の正式な社名・住所に直します。ドメインは登録者のものなので、制作会社名義のままだと関係が切れたときに困ります。なお .com などは、ICANN の現行の移管の決まりで、名義を変えると60日間は別の事業者へ移管できないロックがかかります(事業者によっては変更前に外す選択ができます)。名義変更と移管を両方するなら順番を事業者に確かめ、制作会社と連絡が取れるうちに済ませてください。

複数ドメインを1社にまとめる移管の手順

ホワイトボードに複数のサーバー・ドメインの構成を書いて整理する IT 担当者
Photo by Austin Distel on Unsplash

事業者がバラバラなら、1社に集めると台帳も支払いも通知も一本になります。別の事業者に移すことを「移管」(.jp では「指定事業者変更」)と呼び、大枠の手順は .jp も .com も同じです。

まとめる先の選び方

自社が持つ種類を全部扱えるか、複数ドメインをまとめて操作できるか、Whois 情報公開代行と DNS 設定が無料か、法人の支払いに対応しているかで選びます。たとえばQドメイン(株式会社エムフロ)は、公式サイトで「大量ドメインもラクラク操作」「Whois代行、DNS設定ももちろん無料」とうたっています。料金ページでは1年契約・税込で .com 2,310円、.jp 3,000円、.co.jp 4,202円(.com の更新は「2,310円〜」)とされ、移管は新規取得と同じ料金と注記されています。料金は変わることがあるので、最新情報は公式サイトでご確認ください。お名前.com やムームードメインなども同じ軸で見比べてください。

見る軸確かめることQドメインの公式表記
扱う種類自社が持つ種類を全部扱えるか.com .net .jp .co.jp など
まとめて操作複数ドメインの一括操作「大量ドメインもラクラク操作」
付帯機能Whois 代行と DNS 設定の料金「Whois代行、DNS設定ももちろん無料」
料金の表示税込か、移管の料金税込表記。移管は新規取得と同じ料金

ステップ1|期限と移管できない期間を確かめる

期限が1か月以内に迫っているドメインは、先に今の事業者で更新してから移管します。.com などは ICANN の決まりで、新規登録や前回の移管から60日以内は移管を断られることがあり、名義変更直後のロックもあります。.jp は決まりが違うので、今の事業者と移管先の両方に「いま申請できるか」を確かめます。

ステップ2|登録メールを直し、認証コードを受け取る

まず登録メールを共有アドレスに直し、テストメールが届くことを確かめます。次に今の事業者の管理画面で「移管ロック」を外し、認証コード(AuthCode。本当の登録者かを確かめるための、ドメインごとの文字列)を発行します。ICANN の決まりでは、自分で発行できる仕組みがない場合、事業者は依頼から5日以内にコードを渡す義務があります。.jp も JPRS が指定事業者変更の申請に認証コードを導入しています。

ステップ3|移管先で申請し、承認メールに答える

移管先で「移管申請」を選び、ドメイン名と認証コードを入れて申し込み、移管費用を払います。登録メール宛てに承認を求めるメールが届くので期限内に承認します。今の事業者からも確認のメールが来ることがあり、放っておくと申請が取り消されます。

ステップ4|DNS の設定を引き継ぐ

移管で動くのは登録の管理先で、DNS の設定は自動では移りません。今の事業者の DNS を使っていると、移管の完了でサイトとメールが止まることがあります。移管先の DNS に同じレコード(A、MX、TXT など)を先に登録し、移管後にネームサーバーを切り替えます。前後で表示とメールの送受信も確かめます。

ステップ5|台帳と旧事業者の契約を整理する

完了したらその日に台帳の契約先・期限・支払い・登録メールを書き換え、移管先で自動更新と Whois 情報公開代行をオンにします。旧事業者にサーバーやメールの契約が残っていないかも確かめます。

よくある失敗と対処

届いていないメールを探してスマホとパソコンを見比べる担当者
Photo by Firmbee.com on Unsplash

失敗の多くは、連絡先と順番のミスで起きます。

移管の途中で期限が切れた

期限ぎりぎりで申請し、承認待ちの間に期限が来るケースです。切れてしまったら、今の事業者に連絡して回復を優先し、移管はそのあとにします。

認証コードや承認メールが旧アドレスに届いた

登録メールを直す前に移管を始めると、コードや承認メールが退職者や制作会社に届きます。ステップ2のとおり、先に登録メールを直してから申請します。

移管したらメールだけ届かなくなった

旧事業者の DNS を使っていて、移管と同時にレコードが消えたケースです。移管先に MX レコードなどを先に入れる手順を守り、旧 DNS の設定内容はスクリーンショットで残しておくと、止まったときも早く戻せます。

制作会社の判断基準|持ち続けるか、まとめるか

制作の現場での判断はシンプルです。会社名・ブランド名・サービス名を含むドメインや、名刺やチラシ、他サイトのリンクに残っている特設ページのドメインは、使っていなくても持ち続けて新しいサイトへ転送します。手放すときは JPRS の案内にあるとおり、終了を事前に知らせ、そのアドレスで登録している各サービスのメールを変えてから廃止します。事業者をまとめるのは、3社以上に散っている、担当者が1人しかいない、制作会社や代理店の名義が残っている、のどれかに当てはまる場合です。2社に収まり台帳と共有アドレスが整っているなら、今の運用を続けるほうが安全です。

まとめる先を探している方は、Qドメインの公式サイトで取扱ドメインと料金を確かめると、自社の種類を扱えるかと税込の費用を一度に見られます。申し込む前に、この記事のステップ1〜2(期限・移管できない期間・登録メール)を済ませてください。料金や仕様は変わることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. ドメインの期限切れに気づいたら、まず何をすればよいですか?

A. その日のうちに事業者の管理画面で更新するか、サポートに連絡してください。.jp は停止した月の1〜20日、.com などは削除後30日の回復期間があり、元の登録者が戻せます。回復の手数料と期限は事業者に確かめます。

Q. 使っていない旧社名のドメインは手放してもよいですか?

A. 新しいサイトへ転送する形で持ち続けるのが安全です。手放すと第三者が取得でき、商標権の侵害などに当たらない限り使用を差し止められません。

Q. 自動更新にしていれば台帳は要りませんか?

A. 要ります。自動更新はカードの期限切れなどで止まることがあり、台帳があればカードを変えたときに直す先が分かり、担当者が代わっても引き継げます。

Q. 制作会社名義のドメインを自社名義にできますか?

A. できます。制作会社に依頼して登録者情報を自社に変えるか、自社のアカウントへ移してもらいます。.com などは名義変更後60日間は移管できないロックがかかるため、移管も考えているなら順番を事業者に確かめます。

Q. 移管するとサイトやメールは止まりますか?

A. 登録の管理先が変わるだけなら止まりません。旧事業者の DNS を使っている場合は止まることがあるので、移管先の DNS に同じ設定を先に入れてからネームサーバーを切り替えてください。

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