お名前.comからエックスサーバーへのドメイン移管とは、ドメインの管理会社をお名前.comからエックスサーバーの「XServerドメイン」に変える手続きです。移管そのものではサイトもメールも止まりませんが、お名前.comのDNS(ドメインとサーバーをつなぐ設定)を使ったまま移すと、メールが届かなくなることがあります。この記事では、両社の公式マニュアルをもとに、移管前の確認から手順、費用、メールが止まる原因と対処までをまとめました(2026年10月時点)。
ドメイン移管とネームサーバー変更の違い

移管は「ドメインの契約と支払いをどこでするか」を変える手続きで、ネームサーバー変更は「ドメインをどのサーバーに向けるか」を変える設定です。変わるものもメールへの影響も違います。
| 手続き | 変わるもの | メールへの影響 |
|---|---|---|
| ドメイン移管 | 契約と更新料の支払い先 | 移管だけなら影響なし。お名前.comのDNSを使っていると止まることがある |
| ネームサーバー変更 | サイトとメールの向け先 | DNSの中身がそろっていないと、切り替え直後から止まる |
| サーバー移転 | サイトのファイルとメールボックスの置き場所 | メールアカウントとメールソフトの設定し直しが必要 |
エックスサーバーを使うだけなら移管は必須ではない
ドメインをお名前.comに置いたままでも、ネームサーバーをエックスサーバーに向ければサイトもメールも動きます。エックスサーバーの案内でも、移管から手続きするのは「ネームサーバーの変更ができない」「利用期限に余裕がない」場合とされています。移管は、支払いを1社にまとめたい、サーバーの特典でドメインを無料にしたい、というときに選びます。
移管でDNSは自動では動かない
エックスサーバーのよくある質問では、移管の際にネームサーバーなどのDNSは変更されず、移管元の設定がそのまま引き継がれると説明されています。移管してもサイトやメールが自動でエックスサーバーに向くわけではなく、お名前.comのネームサーバーを使っていれば、その指定が残ります。
移管の前に確かめること
申請の前に、期限・経過日数・連絡先・ロックを確かめます。どれか1つでも満たしていないと移管は失敗します。
有効期限に1か月以上の余裕と、取得から60日
エックスサーバーは利用期限に1か月以上の余裕がある状態での手続きを基本とし、1か月を切っていれば先にお名前.comで更新するよう案内しています。.com など .jp 以外は、登録から60日経たないと移管できません。ドメインのルールを決める ICANN(アイキャン)の決まりで、短縮の見直しも議論されているため、申請前に最新の案内を確かめてください。お名前.comの案内では、登録期限日まで7日以内の .jp も他社への移管が拒否されます。
登録者メールとWhois情報公開代行
.com などは、Whois(ドメインの登録者情報を公開する仕組み)の登録者メール宛てに承認メールが届きます。退職者や使っていないアドレスなら、先に自社の共有アドレスに直します。お名前.comの「Whois情報公開代行」(登録者の代わりにお名前.comの情報を公開するサービス)が設定されたままだと、お名前.comの案内でも他社への移管が拒否される理由に挙げられています。
お名前.comの「ドメイン移管ロック」
お名前.comには他社への意図しない移管を防ぐ「ドメイン移管ロック」があり、公式ガイドでも他社へ移管するなら解除が必要とされています。解除の操作は手順の章で説明します。
メールを止めないための下準備

メールを止めないコツは、移管の前にDNSをお名前.comから外しておくことです。XServerドメインの移管ガイドでも、移管元のDNSレコード設定機能を使っているなら、事前に別のネームサーバーへ切り替える必要があると案内されています。
いまのDNSレコードを書き出す
お名前.com Navi の「ネームサーバー設定」で、dnsv.jp で終わるお名前.comのネームサーバーを使っているかを見ます。使っていれば、DNSレコードの画面にある A(サイトの向け先)、MX(メールの届け先)、TXT(SPF や所有確認)、CNAME をすべて書き出し、スクリーンショットも残します。お名前.comのDNSレコード設定は、他社管理のドメインでは有料の「DNS追加オプション」(1ドメイン月額110円・税込)の機能とされているので、移管後も同じ画面を無料で使える前提にはしません。
エックスサーバーに同じ中身をそろえる
エックスサーバーのサーバーパネルでドメインを追加し、メールもエックスサーバーで受けるなら同じアドレスのメールアカウントを作ります。Google Workspace など外部のメールサービスを使っているなら、DNSレコード設定で MX をそのサービスの値に直し、書き出した TXT も入れ直します。
ネームサーバーを先に切り替え、数日様子を見る
お名前.com側でネームサーバーを ns1.xserver.jp 〜 ns5.xserver.jp に変えます。反映の目安は、エックスサーバーのマニュアルで数時間〜24時間程度、お名前.comのガイドで最大72時間程度です。テストメールとサイト表示を数日確かめてから移管に進みます。切り替えの段取りはサーバー移行でサイトを止めない手順でも詳しく扱っています。
お名前.comからエックスサーバーへの移管手順

お名前.comで2つ準備し、エックスサーバーで申請して承認する流れです。.com などの手順で説明し、.jp の違いはステップ4で補います。
ステップ1|移管ロックとWhois情報公開代行を外す
お名前.com Navi のドメイン機能一覧から「ドメイン移管ロック」を開き、対象ドメインを ON から OFF にして確認画面で決定します。あわせて Whois情報公開代行も解除し、登録者メールが受け取れるアドレスか確かめます。
ステップ2|AuthCode(認証コード)を確かめる
AuthCode は、本当の登録者からの移管かを確かめるドメインごとの文字列です。お名前.comの公式のお知らせでは、.jp の AuthCode は Navi の各ドメインの詳細画面で確認できると案内されています。.com なども詳細画面を見て、見当たらなければサポートに確認します。XServerドメインのマニュアルでは、MITキーやレジストリキーとは別物で、記号を含む場合は末尾まで全部入力するよう注意されています。
ステップ3|XServerアカウントで移管申請する
XServerアカウントにログインし、契約ドメイン一覧の「ドメイン移管」から「移管申請(登録事業者の変更)」を選びます。ドメイン名を1行に1つ入力して検索し、チェックを入れて AuthCode を入力、支払い方法(クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込など)を選びます。「Whois初期値設定」がまだなら、その画面が先に出ます。
ステップ4|承認メールに7日以内に答える
.com などは、申請から1〜12時間程度で登録者メール宛てに「[重要](ドメイン名)のトランスファー申請に関するご案内」が届き、メール内の URL から7日以内に承認します。迷惑メールに入ることがあり、再送はできません。.jp・.co.jp などは利用者への承認メールは届かず、移管元のお名前.comが承認します。
ステップ5|完了メールを受け取り、状態を確かめる
エックスサーバーの案内では、申し込みから完了まで1週間〜10日程度で、早めることも日付の指定もできません。完了すると「移管完了のお知らせ」が届きます。途中経過はお名前.com Navi の「他社への移管状況確認」でも見られます。完了後は、XServerドメインで自動更新と Whois の公開内容を確かめます。
移管にかかる費用
費用は XServerドメインの移管料金だけで、エックスサーバーも「移管料金以外の費用は発生いたしません」としています。移管すると、移管元の利用期限から1年延長されます。
| ドメイン | 移管料金(税込) | 更新料金(税込) |
|---|---|---|
| .com | 1,721円 | 1,721円 |
| .net | 1,992円 | 1,992円 |
| .jp(ローマ字) | 3,102円 | 3,102円 |
| .co.jp | 4,136円 | 4,136円 |
XServerドメインの価格一覧(2026年10月時点・税込)によるもので、最新情報は公式サイトでご確認ください。.jp 系は Whois 上の利用期限が最長1年のため、お名前.comで複数年分を払っていても超える分は引き継げません。お名前.com側の手数料や返金の扱いは、移管前にお名前.comへ確かめてください。
サーバー契約の「独自ドメイン永久無料特典」で移管する
エックスサーバーのレンタルサーバー契約者は、条件を満たせば特典で無料のまま移管できます。マニュアルでは、スタンダードプランは新規で12か月以上の契約なら1つ、24か月以上なら2つ(自動更新の設定が必要)、プレミアム・ビジネスプランは本契約で2つまでです。.jp はプレミアム以上、.co.jp はビジネスプランのみが対象です。将来この特典のドメインを他社へ移すときは、解除手数料として1年分の更新料金がかかります。
| 選び方 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|
| ネームサーバーだけ変更 | 契約先を増やさず、すぐ切り替えたい | 支払い先が2社に分かれる |
| 有料で移管 | 支払いと管理画面を1社にまとめたい | 移管料金がかかる(期限は1年延長) |
| 永久無料特典で移管 | エックスサーバーを長く使う予定がある | プランと契約期間の条件、他社へ移すときの解除手数料 |
移管のあとにメールが届かない原因と対処

メールが届かなくなったら、「いまのネームサーバーはどこか」「そのDNSの MX は正しいか」の順に確かめます。原因はほとんどが次の4つです。
MXレコードが引き継がれていない
お名前.comのDNSにあった MX を、エックスサーバー側に入れ忘れたケースです。相手には「宛先不明」の返信が戻るか、メールが行方不明になります。書き出した内容と1行ずつ照らし合わせて直します。
外部のメールサービスなのに、エックスサーバーに向いている
Google Workspace などで受けているのに、MX がエックスサーバー自身を向いているケースです。社外からだけ届かないなど分かりにくい形で出ることもあります。MX をメールサービスの指定値に直します。
SPF・DKIMが抜けて迷惑メール扱いになる
送ったメールが相手の迷惑メールに入るなら、送信元の認証を疑います。SPF は「送ってよいサーバー」を、DKIM は「途中で書き換えられていないこと」を示す仕組みです。エックスサーバーではドメイン追加時に SPF が自動で入りますが、外部の配信サービスを使うならその分を足します。DKIM はサーバーパネルで OFF から ON にする設定です。
反映待ちで、古い向け先が残っている
ネームサーバー変更の直後は、送る相手によって届く先が違うことがあります。反映まで最大72時間程度かかるため、その間は旧サーバーのメールボックスも確かめます。72時間を過ぎても直らなければ、設定の誤りとして上の3つを見直します。
よくある失敗と対処
メール以外では、申請が通らない失敗が多くあります。エックスサーバーは、失敗したら再申請の前にサポートへ連絡するよう案内しています。
承認メールが古いアドレスに届いて、申請が流れた
登録者メールを直さずに申請し、承認メールが前任者に届いて7日が過ぎたケースです。お名前.comの案内では、承認待ちで送信先の誤りに気づいたら申請をキャンセルし、Whois 情報を直してから申請し直すとされています。
AuthCodeの打ち間違い、期限ぎりぎりの申請
AuthCode の末尾の記号を落とす失敗はよくあるので、コピーして貼り付け、前後の空白も消します。利用期限が1か月を切っていたら移管は見送り、お名前.comで更新してから進めます。
制作会社としての判断の目安
制作の現場では、サーバーの引っ越し、ネームサーバーの切り替え、ドメインの移管を同じ日に済ませようとして、どこで止まったのか分からなくなる相談をよく受けます。おすすめは1つずつ進めることです。先にネームサーバーを切り替え、サイトとメールが数日問題なく動くのを見てから、最後に移管します。この順番なら、移管が遅れても失敗してもサイトとメールには影響が出ません。更新日の2〜3か月前に始めると余裕を持てます。ドメインが複数の会社に散っているなら、ドメインの更新忘れを防ぐ管理方法の台帳づくりもあわせて進めると、移管後の管理が楽になります。
よくある質問
Q. 移管している間、サイトやメールは止まりますか?
A. 手続き自体では止まりません。止まるのは、お名前.comのDNSを使ったまま移管した場合や、ネームサーバーの切り替え時にDNSの中身がそろっていない場合です。
Q. ドメイン移管にかかる日数はどのくらいですか?
A. エックスサーバーの案内では、申し込みから1週間〜10日程度です。日付の指定や前倒しはできません。
Q. 移管の費用はいくらですか?
A. XServerドメインの移管料金(税込)は .com 1,721円、.jp 3,102円、.co.jp 4,136円で、ほかの費用はかからず期限が1年延びます(2026年10月時点)。条件を満たせば永久無料特典でも移管できます。
Q. 移管承認メールが届かないときはどうすればよいですか?
A. 登録者メールが受け取れるアドレスか、迷惑メールに入っていないかを確かめます。再送はできないため、見つからなければ移管の失敗を知らせるメールを待って申請し直します。.jp は承認メール自体が届きません。
Q. 取ったばかりのドメインでも移管できますか?
A. .com などは登録から60日経つまで移管できません。その間もネームサーバーをエックスサーバーに変えれば、サイトとメールはすぐ使えます。
THREE D PLUS は大阪の Web 制作会社です。ホームページ制作から公開後の運用・改善まで、ドメインやサーバーの移管・メールの切り替えの段取りも含めてまとめてご相談いただけます。お問い合わせはこちら。