名刺の文字サイズの目安|氏名・肩書き・住所など要素別のptと最小サイズ

名刺の文字サイズの目安|氏名・肩書き・住所など要素別のptと最小サイズ

名刺の文字サイズ(フォントサイズ)は、氏名を12〜16pt前後、会社名を8〜11pt、肩書きや住所・電話などの連絡先を6.5〜8ptにするのが目安です。いちばん小さい文字でも6ptを下回らないようにすると、多くの人が無理なく読めます。この記事では、要素ごとのサイズを一覧にしたうえで、pt・mm・級の換算、書体による見え方の違い、Word や Illustrator での指定のしかた、印刷前に実物大で確かめる手順までを説明します。

目次

名刺の文字サイズの目安一覧

名刺の文字サイズは、氏名を基準にして、そこから段階的に小さくしていくと決めやすくなります。下の表は、日本で一般的な91×55mmの名刺を横型で作る場合の目安です。

デスクの上に並べた名刺と手帳
Photo by grey wight on Unsplash
要素サイズの目安決めるときのポイント
氏名12〜16pt名刺の中でいちばん大きく。太さは中くらい〜やや太め
ふりがな・ローマ字6〜7pt氏名の上か下に。氏名より目立たせない
会社名・屋号8〜11ptロゴを大きく載せるなら文字は小さめでも成立する
部署・肩書き7〜8pt氏名のすぐ近くに置き、氏名とひとまとまりに見せる
住所・郵便番号6.5〜7.5pt行数が多いので、行間を詰めすぎない
電話・携帯番号7〜8ptよく見られる情報なので、住所より少し大きくてもよい
メールアドレス・URL6.5〜7.5pt英字は小さく見えるので、日本語より0.5pt上げることがある
SNSのアカウント名6.5〜7ptアイコンを添えると文字を小さくしても伝わる
事業内容・キャッチコピー7〜9pt裏面に回すと表面の文字を大きく保てる
資格・登録番号6〜7pt正確さが大事なので、詰めて小さくしすぎない

氏名を基準に段階を決める

すべての要素を別々の大きさにすると、かえってまとまりがなくなります。実際には「氏名」「会社名」「肩書き」「連絡先」の3〜4段階に分け、同じ段階の情報は同じサイズにそろえると読みやすくなります。氏名と連絡先の差は2倍前後がひとつの目安です。デザイン全体の考え方は、選ばれる名刺デザインのコツでも解説しています。

最小サイズは6pt、読み手によっては7pt以上

6ptより小さい文字は、明るい場所でも読みにくく感じる人が増えます。年配のお客様や、店頭・現場など明るさが一定でない場所で受け取られることが多い業種では、連絡先も7pt以上にしておくと安心です。文字を小さくして詰め込むより、載せる情報を減らすか裏面に回すほうが、名刺としての役割を果たせます。

pt・mm・級の換算

文字サイズの単位には、pt(ポイント)、mm(ミリメートル)、級(Q)があります。WordやIllustratorではptが標準で、印刷の現場では級で指定されることもあります。

ptmm(文字の大きさ)級(Q)
6pt約2.1mm約8.5級
7pt約2.5mm約9.9級
8pt約2.8mm約11.3級
9pt約3.2mm約12.7級
10pt約3.5mm約14.1級
12pt約4.2mm約16.9級
14pt約4.9mm約19.8級
16pt約5.6mm約22.6級

ptとmmの関係

DTPで使う1ptは1/72インチで、約0.353mmです。たとえば7ptの文字は、文字の枠の高さが約2.5mmになります。ただし、ここでいう大きさは文字が収まる正方形の枠(仮想ボディ)の大きさで、実際に見える文字の形(字面)は書体ごとに少し小さくなります。

級(Q)で指定されたとき

級は日本の写植から使われてきた単位で、1級=0.25mmです。印刷会社やデザイナーから「連絡先は10級で」と言われたら、ptに直すと約7.1ptです。換算するときは「級×0.25÷0.353」で計算できます。

要素別にサイズを決めるときの考え方

表の数値はあくまで出発点です。氏名の文字数、載せる情報の量、名刺を渡す相手によって、どこを大きくしてどこを抑えるかを調整します。

氏名とふりがな

氏名は4文字か5文字かで、同じptでも横幅が大きく変わります。長い氏名は1〜2pt下げても、太さで存在感を出せます。読み方が難しい姓名には、ふりがなかローマ字を必ず添えます。ふりがなは6ptでも読めるよう、細すぎない書体を選びます。

会社名とロゴ

ロゴマークに社名の文字が入っている場合、同じ社名を大きな文字で繰り返す必要はありません。ロゴを主役にし、正式な社名(株式会社〇〇)は7〜8ptで連絡先の近くに添える形もよく使われます。

肩書き・部署名

肩書きは氏名の付属情報なので、氏名との間を詰めて配置し、連絡先とは距離をとります。部署名と役職が長くなる場合は2行に分け、1行あたりの文字を小さくしすぎないようにします。

住所・電話・メールアドレス

連絡先の中でも、実際によく使われるのは電話番号とメールアドレスです。住所は建物名まで入れると長くなるので、住所を6.5pt、電話とメールを7〜7.5ptにする、といった小さな差をつけると探しやすくなります。

英字・数字の見え方

アルファベットの小文字は、同じptの日本語より小さく見えます。メールアドレスやURLが小さく感じたら、0.5pt上げるか、英字の読みやすい書体を選びます。数字は「1」と「7」、英字は「l(エル)」と「I(アイ)」が見分けにくい書体があるので、連絡先には字形がはっきりした書体を使います。

書体によって変わる見え方

同じptでも、書体によって読みやすさは大きく変わります。サイズを決めたら、使う書体でどう見えるかをあわせて確認します。

いろいろな書体が印刷された見本帳を見比べる手元
Photo by Brett Jordan on Unsplash

明朝体とゴシック体の差

明朝体は横の線が細いため、7pt以下になると線がかすれて見えやすくなります。明朝体で連絡先を組むときは、ゴシック体より0.5pt程度大きくするか、少し太めのウエイトを選びます。ゴシック体は小さくても形が崩れにくい反面、太いウエイトを小さい文字に使うと、文字の中の空間がつぶれて読みにくくなります。

細い書体と白抜き文字は大きめに

細いウエイトの書体や、濃い背景に白い文字を載せる「白抜き」は、印刷するとインクがにじんで文字が細く見えたり、つぶれたりします。白抜きの文字は、通常より1pt程度大きく、太めのウエイトにしておくと安全です。

情報量と用途で配分を変える

名刺に載せる情報が多いほど、氏名と連絡先の差は小さくせざるを得ません。情報量を見て、表面と裏面の分け方も含めて配分を考えます。

  • 情報が少ない名刺(氏名・会社名・電話・メール程度)は、氏名を14〜16ptにして余白を広く取れる
  • 情報が多い名刺(複数拠点の住所・複数の電話番号・SNS)は、氏名を12pt前後に抑え、連絡先を裏面に分ける
  • 縦型の名刺は1行に入る文字数が少ないので、住所が3行以上になりやすい。行間を文字サイズの1.5倍程度とって読みやすくする
  • 英語の名刺を別に作る場合は、英字の氏名を大きくしすぎず、日本語の名刺と同じ段階の差にそろえる

表面を詰め込みすぎていると感じたら、文字を小さくする前に、裏面に移せる情報を洗い出すのが近道です。

ツールごとの文字サイズの指定

使うツールによって、文字サイズの単位や指定のしかたが違います。数値が同じでも、ツールの表示倍率によって画面上の見え方は変わるので、最後は必ず印刷して確かめます。

パソコンで名刺のデザインデータを作っている手元
Photo by Monstera Production on Pexels

Word・PowerPointで作る場合

WordやPowerPointのフォントサイズはptで指定します。一覧にない「6.5」や「7.5」も、サイズの欄に数値を直接入力すれば設定できます。ページのサイズを名刺の大きさ(91×55mm)にしておくと、画面で見たときの比率が実物と近くなります。

Illustratorで作る場合

Illustratorでは、環境設定の「単位」で文字の単位をポイントか級に切り替えられます。印刷会社から級で指示されている場合は級にしておくと換算の手間が省けます。アートボードを仕上がりサイズで作り、表示倍率を100%にすると、おおよその実寸に近い大きさで確認できます。

Canvaなどのブラウザで使うデザインツールは、画面の表示倍率で見え方が大きく変わります。数値だけで判断せず、印刷用のPDFを書き出してから次の手順で確認してください。

印刷前に文字サイズを確かめる手順

画面で読めても、実物の大きさで読めるとは限りません。印刷会社に入稿する前に、家庭やオフィスのプリンターで実物大に印刷して確かめます。

ステップ1|実物大で印刷する

書き出したPDFを開き、印刷の設定で「実際のサイズ」または倍率100%を選んで印刷します。「用紙に合わせる」を選ぶと拡大されてしまい、確認になりません。印刷したら、定規で縦横が91×55mmになっているかを測ります。

ステップ2|名刺を渡す距離で読む

印刷したものを切り抜き、手に持って30〜40cmほど離して読みます。名刺交換のときの距離です。氏名と会社名がひと目で分かり、電話番号やメールアドレスを目で追えるかを確かめます。

ステップ3|いちばん小さい文字を別の人にも読んでもらう

作った本人は内容を知っているので、小さい文字でも読めてしまいます。いちばん小さい文字(ふりがな・住所・登録番号など)を、ほかの人に読み上げてもらうと、読みにくい箇所がはっきりします。

よくある失敗とトラブル対処

文字サイズの失敗は、画面と実物の差、印刷のかすれ、情報の詰め込みすぎの3つが原因になることがほとんどです。

印刷物を手に取って細部を確認する人
Photo by emarts emarts on Unsplash

画面では読めたのに、届いた名刺の文字が小さい

画面を拡大した状態で作業していると、実際より大きく感じます。作業中も、ときどき表示倍率を100%に戻して確認しましょう。テンプレートを使った場合は、テンプレート自体が海外サイズ(89×51mmなど)で作られていないかも確かめます。

小さい文字がかすれる・にじむ

細い明朝体を小さく使っている、色の薄い文字を使っている、黒い文字を複数のインクを混ぜた色で作っている、といったことが原因になります。小さい黒文字は黒インク1色(K100%)にし、薄いグレーの文字は濃くします。入稿データの作り方は、ネット印刷で名刺・チラシを頼むときの入稿データの作り方にまとめています。

どうしても情報が入りきらない

文字を小さくするより先に、載せる情報を見直します。FAX番号や複数のSNSのように、相手がほとんど使わない情報を外す、裏面に移す、QRコードにまとめてWebページに誘導する、といった方法があります。

よくある質問

Q. 名刺の文字は最小で何ptまで使えますか?

A. 6ptが実用上の下限です。読み手の年齢層が高い場合や、明朝体・細い書体を使う場合は、7pt以上にしておくと安心です。

Q. 名刺の氏名は何ptがいいですか?

A. 12〜16ptが目安です。情報が少なくて余白を広く取れる名刺なら14〜16pt、情報が多い名刺なら12pt前後にします。氏名が長い場合は、サイズを少し下げて太さで目立たせます。

Q. 10.5ptや9ptで連絡先を入れるのは大きすぎますか?

A. 大きすぎるわけではありませんが、名刺の大きさでは氏名との差がつきにくくなります。氏名との差が小さいと、どこから読めばいいか分かりにくくなるので、連絡先を大きくしたい場合は氏名も一緒に大きくするか、情報を減らします。

Q. 縦型の名刺でも文字サイズの目安は同じですか?

A. 目安のptはほぼ同じです。縦型は1行に入る文字数が少なく行数が増えるので、行間を少し広めに取り、住所の改行位置を「市区町村」「番地」「建物名」の区切りにそろえると読みやすくなります。

Q. 英語の名刺は日本語より文字を大きくするべきですか?

A. アルファベットは同じptでも小さく見えるため、日本語の名刺と同じ数値にすると小さく感じることがあります。連絡先は0.5〜1pt上げるか、文字の幅が広めの書体を選ぶと読みやすくなります。

Q. 文字サイズを級で指定されたらどう換算しますか?

A. 1級は0.25mm、1ptは約0.353mmなので、「級×0.25÷0.353」でptに直せます。10級なら約7.1pt、13級なら約9.2ptです。

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